CALENDAR  ARCHIVE  ENTRY  COMMENT  TRACKBACK  CATEGORY  RECOMMEND  LINK  PROFILE  OTHERS
<< March 2024 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
2017.11.01 Wednesday

IN YAN YAKUZEN

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 この商標が、Whole foods market に並ぶときは来るのだろうか。

 

 

コンサルタントが、アメリカは Foods as medicine だと言うからには、

 

 

営業すれば、採用される可能性はあるよな。

 

 

商談は英語だろろうな。 

 

 

 

2015.03.24 Tuesday

野菜の糖度測定








左が、福井吉村さんの『 ほっこり金時 』、真ん中は青森山崎与一さんの『 にんにく 』、

一番右は、熊本澤村さんの『 特栽 塩とまと 』、各糖度を測定した。


 
2014.07.31 Thursday

大葉 〜まことの香り〜






NIPPON 〜 の大地から

やっぱり、この大葉はいい。

ひょっとしたら、長年うちは大きな勘違いをしているのかも知れない。

昨日、この画像のサンプルを作っていて、気温が高いので、たっぷりめに水を散布しておいた。

提案先のお客様迄2時間、トマト箱に入れておいたのだが、到着した時には、既に乾燥が始まっていた。

大葉の袋に4個の穴が開いている。

大葉のこの袋は、最初から穴あきを使用してきたが、本当に穴が必要なんだろうか。



大葉は、乾燥してしまうと、ただの草の葉にしか見えない。

せっかく、葉脈がしっかりして厚みのある葉なのに、葉は暑ければ表面積を広げて熱を放出しようとするし、

細胞、ひとつひとつも、膜がだれて葉脈の窪みも維持出来なくなって、しどけなく、だらけてしまう。


精肉から始まったうちの社も、青果卸に戻る時、最初に手掛けたのが、

にらと、大葉と、パセリと、生姜。

このよっつの品目でがんばったものだが、

大葉は、熊本・茨城・愛知・茨城・山口を経由して、宮崎に辿り着いて、

パセリは、宮崎から始まって、今は10数年千葉で落ち着いている。

生姜は、高知の四万十源流域で始まり、おやじさんから息子に移っている。

にらだけが、最初から長崎で、ず〜と続いている。

苦しい夏も、無理を言ってお願いし続けて、何とか応えてもらっている。

若いころ、自分の身に覚えのない「 農家の苦労 」を語る事が、商売のひとつの拠りどころになっていて、

それが、逆に農家を棚上げしてしまうような申し訳ない気がして、農家の苦労話にふれる事が嫌になっていた。


でも、こうして長く、こんな商売を続けていると、そら商売人も苦労はつきものだが、

農家の苦労は、苦労に違いなく、ひとには言わないが、無理を願っている事には変わりなく、

自分の苦労を厭わず、言った以上はやることで、救われている気がする。


のっけから、話が流れてしまったが、もういちど大葉を持って歩く事を考えている。


この、ラベルデザインも「もうひとひねり」と藤井美穂さんに頼んだが、

あと一歩、とどめの工夫が必要と感じていて、これだけ彼女の作品に口出しする事もめずらしい。




 
2014.03.29 Saturday

有機栽培バナナ





乙仲というのだろうか。

バナナの物流で「上組」さんにお世話になっている。

通関を切った時点で、弊社のバナナはインポーターから弊社の資産になり、上組で保管される。


出張で羽田に行っても、神戸に行っても、全国どこの港に行っても、巨大な倉庫を目にする。

明日は、其処がストライキをするという情報が入った。


目下、前回入船のロットが、植物検疫でアブラムシが発見され、くん蒸処理になった事と、

次の入船予定が、10日程太平洋航路の乱れで、送れている結果、青バナナ李手持ちが無くなり、

来週から10日ほど、欠品を出す。


1995年以来、約20年間バナナを取り扱ってきたが、私の記憶では2回目の出来事になる。

産地は、フィリピンから、エクアドル、ペルーと変遷して来ているが、そうか20年になるのか。


どうも、考えているスパンが短過ぎるのかも知れない。

働くという事を考えれば、通常ではせいぜい40年程度で、そのピークは長くて25年くらいか。

7世代先の事を・・・という言葉は、何となく環境保護団体が口にしそうな気がするが、

「 国家百年の計 」 というのもあり、国を単位で考えるなら、この程度が見える範囲か。



子孫に畑を残そう。


 
2013.06.30 Sunday

和豚もちぶた バラスライス

 





豚バラスライス。


このブランドは、30周年らしい。

懇意にして来た、『 有限会社肉の片山 』さんが、20年ほど前にこの豚肉を、新しく専門に扱うようになり、

何とか、協力しなければと思い、わずか3%オンするだけという、伝票代にもならない粗利率で、営業をした。


スーパーマーケットを中心に、頼めば取り扱っていただけそうな会社を選んで、5社ほどお願いに歩いた。


今週に、その30周年の記念イベントが、その肉の片山御膝下の新潟で行われ、その招待を受けた。

だけど、その5社からほとんど20年間、お客さんは増えていないのに、とても参加できなくて辞退させてもらった。



先日お伺いした、奈良の< いろは >さんが、唯一その後に増えたお客様だった。

その記事にも書いたような気がするが、うどんに載っていた「 もちぶた 」のバラスライスが、

ほっぺたが落ちるほど美味くて、それでその味を、もう一度味わいたくてこれで2パック食べ続けている。


「 和豚 もちぶた 」を、このブログで本格的に取り上げるのは、2度目だと思う。



一昨年の1月に、< 会社のホームページ > で、紹介したくて、とびっきりのロースを、

わざわざ写真写りがいいように、150g位の厚みに切って5枚送ってほしいと依頼した。



それは、見るからに美味しそうに写っている。


でも、この記事の冒頭のバラスライスは、何の変哲もないような写り具合で、この豚肉が、どうしてあんなに美味いのか、



不思議でしょうがない。


このバラが、あのとてつもなく美味い、< 無塩せきベーコン > になっている。


今晩の島の飯は、そうめんを、きゅうりの千切り、薄焼き卵、といっしょに麺つゆに絡めて食べて、

突き合わせに、バラスライスを塩コショウで焼いて食べた。



勝手な思い込みだと思うが、哲学的な味がする。



何処のお客さんに行っても、とまと家族さん以外は、売れ行き不振で、喘いでいる。

「 何故売れないのか 」と、その理由を聞かれることもある。

答えはひとつ、「 売れないから売れないのであって、売れない理由なんてない 」とお応える事にしている。


売れない理由を考えるより、どうすれば売れるかを考えないと、理由が無いのに理由を無理やり見出して対応しても、

その答えは間違っているのだから、その対応は間違って、お客さんの心からますます離れて行ってしまう。


先日のとまと家族さんで餃子の宣販をしている時に、若い男性がひとり店に入ってきた。

その子は、まっすぐ奥の総菜売り場を目指していったので、常連だという事はすぐに分かる。

繰り返し書くと、このとまと家族さんは、3軒隣にコンビニがある、にもかかわらず若い男性が、

この店に惣菜を買いに通うという事は、コンビニよりこの店の惣菜が美味い事を知っていて、

またすぐ近所に、惣菜に力を入れておられる<光洋空堀店>もあるから、そこより美味い事を知っている男性、という事になる。


私が、そんな彼を見逃す訳がなく、片手に二つ惣菜パックを持って戻ってきた時、

「 この餃子を食べてみろ 」 ほとんど、命令口調だった。

「 いや、今、二つ惣菜を買ってきたから結構です 」「 腹 減ってんだろ、美味いから食べみればいい 」

いぶかしそうな顔をしているから、「 美味い、不味い、くらい分かるんやろ 」、ここまで言われて観念したようで、


ようやく、食べた。

「 どうや、美味いやろう 」「 うん 」「 食べて良かったか 」「 良かった 」

「 自分で料理はするのか 」「 炒め物くらいだったらね 」

「 それなら、この餃子が美味い理由のひとつに、和豚もちぶたって原料豚の味がある 」

「 あそこの棚に、最近扱ってもらっていて、あの豚肉を買って炒めもんを作ればいいよ 」


その後他のお客さんの接客をしていると、彼は棚に行って豚肉を熱心に見ていた。

それならと近づいて、「 この小間切れが安くていい 」「 いや、同じグラム数でこっちの方が20円安い 」

「 それはモモスライスやから、脂身が少なくて、美味く食べるにはひと手間要るから、適当に脂がある小間切れがいい 」

「 野菜は、この店にあるもので、安いものでいい、この小間切れから出汁が出て美味くなるから 」


これだけの会話で、その男性は、しばらく私のそばにいる事を決めたようだった。

レジを済ませた彼は、また私のそばに戻ってきた。


話を聞くと、「 成城石井で5年間バイトをしていた 」らしい。

何故辞めたかというと、「 他の店からか社員が転属されてきて、バイトの労働時間を圧迫して、稼ぎがなくなった 」らしい。


どこに経営母体が移ったかは知らないが、新しい会社の方針で、有閑社員の活用をして、人件費削減をしているのかな。



味が分からない人は少ないので、元々私のこの仕事に対する動機は、

< 美味しいものを、一人でもたくさんの人に味わってもらう > ところにある。


理屈を言うなら、「 味覚によって、自然の摂理への扉を開き、この世の理不尽なシステムに目覚める 」ところにある。


もう一度、その仕事の本質を、本気で追掛けようとしている。



2011.01.15 Saturday

和豚 もちぶた は 〇〇の登録商標です。

 









とは、いうものの 排他的に使用できるのは、【和豚 もちぶた】 であって、
【もちぶた】なら、誰が使っても咎める事は出来ないって、おかしなもので、
ここんとこ、もう少しどうにかならないのかと思っているがどうにもならない。


最近は、『【和豚もちぶた】食べ放題』って看板のチェーン店もあったりして、
一度会社の中川と二人で行ってきたが、どうも二人だけ浮いている感じで、
それ以降、どちらからも 『 もう一度‥ 』とは、口から出て来なくなってる。



この画像は、中澤嬢がHPに和豚もちぶたのページを作るという事で、仕入先から送って貰った。
5枚も来てびっくりしたが、やっぱりこうして並べてみると、3枚とは違う迫力で皿から溢れている。
普段の商品は100g程でカットしているが、写真撮影用に150gで送ってもらうようにしておいた。

写真だから、100gと150gの区別がつかない筈だが、不思議なもので、ちゃんと写るのが写真である。

重量的には単に1.5倍だが、写真が利く口は倍以上にしゃべっているから、商品ってのは実に面白い。
おもしろいのだが、これに値札が付くと、今度は、威張っているだけに見えてきたり、高嶺の花になってしまったり、
そうは見せない売り場全体の力、店舗の力、会社の力、社長の考え方もあるのだが、まあ、画像としては見栄えがある。


ところが、 『縦の画像はホームページでは使えない 』と、この画像は却下されてしまった。


本人は、焼いたところも撮影するとの事で、ホットプレイトで焼いていた。
焼けたと言って、持ってきたので一切れ食べて、『 残ったら、持って帰ってきてな 』 と言っておいた。

 が、帰ってこなかった。

みんな美味かったんだろうな。

夜に、中川と牛肉を食べに行って、 『 もちぶたは、やっぱり美味いなあ〜 』 と。

そういえば、横浜まで二人で何回もこの豚肉を、大きなスーパーさんに提案に行って、 
先方の懐まで入らせてもらえて、座る席をもらえる寸でのところで、追い出されてしまった。
先方の希望がふたつあって、そのふたつともお断りしたら、もう懐を開いてもらうことは無くなった。

高松にも行った。名古屋にも行った。でも、全部敗れて帰ってきている。

商品としては優秀であるけれど、きっと、縁が無いのだろうな。



飼料効率って言葉があるが、間もなくやって来る食糧危機を考えると、牛肉は勿論の事、
豚肉ってのもいつまで食卓に上り続けられるのか‥それは分らないし、
ひょっとすれば、猪や熊が里に近付いているのをこれ幸いに、
『 畜肉は、やっぱり熊に勝るものはないよな 』
とか言っているかも知れなくて、



今のうちに、品行方正にして、猟友会に入れてもらって、猟銃を手元に‥ 。







全く違う方向に話しが飛んでいったが、このハンバーグ。

昨年の暮れに、小杉社長が採集した干しぜんまいを送ってくれる時に、誰かがこれも入れてくれていた。
以前は、『 私の口には合いませんねぇ 』 と、こんなお上品な口調ではないが、
あまり好きじゃなかったハンバーグが、どういう訳か今回は味が激変して、美味しくてペロッと食べてしまった。
すっかり、新製品だと思っていたが、誰に話をしても、怪訝な返事しか返ってこなくて、ちょっと違うのかなと思っていた。



そのことを、佳代子に話をすると、単に温めただけではなく、『袋に書いてある通り、にした』らしい。


で、袋には、

★なお一層おいしくお召し上がりになるには★
湯煎又は電子レンジで温めた後、フライパンにバターをおとしハ
ンバーグを軽く焼き、少々のワインと特製ソースをかけ、皿に盛
り付けてから少量の生クリームを加えてお召し上がりください。

と、書いてあった。


?   少し変な感じ。


要は、半製品だという事なのだろうか。



でも、これは、一考の余地がありそうだ。





2010.10.22 Friday

硝酸態残留値と味覚






 








この月の初めに、北海道・音更産の人参で、
『 味がおかしくてジュースとして飲めない 』と、クレームを頂いていた。

もちろん、中川の素早い対応と、誠意ある返答には、お客様にも、何とかお許しいただけたが、

その、味については、対応の素早さや、誠意で美味しく変わる訳ではない。

実際に私共も、試食を様々の方法でしてはみたものの、数値で、残していくしかなく、
さりとて、米の様に食味検査値は無いので、硝酸態窒素の残留数値を、今後は測る事としてきた。


今から始まる、青森の陸奥湾に面した畑も、もう10年ほど毎年仕入れる産地である。
ここのところ、人参は、ルーティン化してきて、その事に、味の低下を見落とす、
ひとつの要因があると思い始めて、数値としても記録する必要を感じた。



糖度は、じっさいに舌で味わへば、何度位かは分るが、
この硝酸態窒素の残留値も、きちっとやれば、人間の舌でも、分るようになるものだ。


それが、今回の測定で、一番の発見となった。





2009.03.12 Thursday

自慢の燻製品

 

このblogに【有限会社肉の片山】さんの事を書いたかどうか記憶にない。
でも、この会社とは長〜いお付き合いで、色んな事を共に経験させてもらっている。

画像はボンレスハムの製造写真。
現在九合目まで到達した、開発商品である。

一昨年の10月頃だったかな、
新潟の大和町を久し振りに訪問した折に、生でベーコンを試食した。
確か『【ベーコン】を生で試食って味が判らないと思う』って事を言ったと記憶している。
昨年の春頃だったかな、何の拍子か忘れてしまったが、
もう一度、その【ベーコン】を試食する機会に恵まれた。
その時も、やはり生で食べたように思うが、
舌も勝手なもので、この時は『えっ!』って思うほど美味しかった。

勝手なのは舌だけではなく、私自身が勝手な人間で、
『これだけ美味しいのに硝酸ナトリウムを添加していては勿体無い』
『硝酸ナトリウムを無添加で作れないか‥』と言ってしまった。

前述の長い付き合い故に、興味を持ってもらえたのか、
しばらく日を待つと、【硝酸ナトリウム】有添加と無添加の、
両方のサンプルを高槻の会社に送ってきてくれた。
早速、両方をひとり食べ比べした。

『‥‥‥‥     』

180g程度のブロックを厚さ4〜5mmにスライスして、
会社のスタッフに持っていき『どっちが美味しい?』。
みんな『無添加の方が美味しい』って驚きを以って言った。
私は『良かったなあ、有添加の方が美味しいって言ったら、
この会社では給料下がるとこやったで』。

まこと、有添加だけ食べていると気がつかないが、
この無添加の製品を食べると、硝酸ナトリウムの味っていうか、
説明のつかない?な味を明確な感じる。
有添加−無添加=?
これは、今まで相当数の方に、この味比べをしてもらっているが、
全員同じ感覚を持つ。100%である。
添加物で、舌を麻痺させられているというが、
そんな事はない、ちゃんと人の味覚は生きている。

この【硝酸ナトリウム】は曲者で、一応【発色剤】の役目をしている。
確かに添加すると、色は燻製品で見慣れた、肉の色になるが、
添加しないと、何ともいえない彩度の低い色目になる。
もっともその色が、塩漬して燻煙した時の自然な色である。

しかし、この色目は何とかならないのかと思い、
製造者の小倉君に試食の結果と共に電話をした。
そうすると彼は、
『私もそう思い、その分は海の塩を使用しましたが、
今回は岩塩を使用しています』と言った。
小倉君の説明では、
『塩は元々、天然の硝酸ナトリウムを含んでいますが、
海水塩より岩塩の方が、その含有率が高いんです』との事だった。
口振りから察すると、既に次の試作に入っている風なので、
念の為、問うと、『はいっ、今、塩漬け中です』と言った。
私はベーコンの味より、このひと言が胸に響いた。


一体、何kgのサンプルを送ってもらっただろうか。
勿論全て無償サンプルである。

私は、このベーコンを持って歩いて、そう、勝手に夢を膨らませている。
何とかナポリで入った肉屋さんのように、切り売りで販売できたらと思ってきた。
その想いに応えたくれたのが、松江の福島社長である。
右も左も有り難い人に挟まれている。

福島社長は、このベーコンの原料豚肉も扱ってくれた。

【スーパーふくしま】の福島社長、
もう10年以上前から、このその豚肉を扱ってくれている、
京都の【フレンドフーズ】の藤田社長、
両方の社長から『ボンレスハムを作れば‥』って言ってもらった。

その運びで、自然食品の卸問屋【ムソー株式会社】さんにも扱ってもらおうと、
ロースハム・モモハム・ベーコン・ウインナーの4品の開発を、
小杉社長にお願いした。
一時は行く道が暗くなったが、3回目の試作でベーコンの感動と同じ、
ボンレスハムが出来上がった。

直ぐにロースハムとモモハムを持って松江に飛行機で飛んだ。
その場で食べられるよう、
包丁に皿、アルミホイル、爪楊枝、お絞りを持参していたが、
『少し間をおいてからの方が味が良く判る』との事だった。
後日、福島社長から
『モモハムは美味しかったですよ。後はどう商品化するかですね。』
とメールを頂いた。

さて、どうしたものか。



2008.07.29 Tuesday

ブランド



虹の下は二十四の瞳

高松からの帰り道、大きな虹に出会った。
高松のマルヨシセンターさんに『和豚もちぶた』の営業に行った。
前日に小豆島に来ていて、軽トラで行った。
服装は、営業だからスーツである。
軽トラに乗り込んで自分でも笑ってしまった。
何とも不釣合いなのである。
スーツにYシャツ、革靴を足すより、
購入価格の安い軽トラックである。

『もちぶた』の話をしよう。
縁あって10年ほど前から私の会社では、
グローバル・ピッグ・ファーム(http://www.gpf.co.jp/)の、
『和豚もちぶた』の卸販売もしている。
この豚肉はブランドといえるが、一朝一夕に出来るものではないことが分かる。
この会社の赤地社長は、
私が差し出す会社案内を黙って最初から最後まで、
じっくりと読んで顔を上げ『同感ですね』と一言言ってくれた。
差し出した会社案内を私の眼前で、一文字逃さず読んでいただけた方は、
20年の歴史の中で唯一人である。

ブランドという限りは自己の製品が一貫して、
製造・生産から販売まで管理するところから始まる。

この『もちぶた』というブランド豚の、私の最大の買いは、
養豚農家の集団である点にある。
赤地社長自身が養豚農家である。
国際間で円の立場が下落すれば、
充分世界で販売可能な、価値ある豚肉と思っている。
豚の品種作り、繁殖から始まって、最終消費者の口に入るまで、
その何処の工程を切り取ってみても、真面目で嘘が無い。
悪意の無い嘘も入り込めない構造になっている。

真面目は、理想に向かって絶えず進むという事である。
養豚農家も『もちぶた』以外は育てない、
精肉会社も『もちぶた』以外の豚肉は一切扱わない。
2〜3年前から新潟地区では、屠場を農家達も出資して、
99%『もちぶた』屠場として確立している。

『もちぶた』以外は育てない農家から出荷されて、
『もちぶた』以外は扱わない精肉会社から出荷されても、
『もちぶた』というブランドを着て流通される豚肉は、7割〜8割だという。
どういう事かと言うと、仕上がりの品質基準に満たない豚枝肉は、
一般の国内産豚としてしか流通できないことになっている。
この事は、品質にブレが無い要因として重要だ。

では何故、
同じ系統の親、同じ飼育環境、同じ餌を食べても、肉質に差が出るのか。
豚は約10頭、子供をいっぺんに産む。
生き物の世界であるから、強いものが勝つ。
強いものは食べたいだけ優先的に食べる。だから益々強くなる。
この豚は背中に脂肪が付き過ぎて、『もちぶた』として不適となる。
一方、弱い豚はいつまでも弱い。
瘠せた豚となってしまい、これも不適となる。
農家の腕やシステムに係わり無く、生まれた子豚が全員すくすく、
とはいかないのが、養豚の逃れないところらしい。

商品としては嘘はないが、買っていただく皆さんには、
いつ買っても同じ品質でなければ、そのブランドは揺らいでしまう。
青果類も畜産製品もいずれも生き物なので、
品質の一定という事は困難なことである。

ブランドの目的は、頭の中でブランドの規定を作ることではなく、
毎日毎日生産、出荷される全ての製品に対する、
真剣さ、忍耐が、何より物を言いそうである。

このブログを書きながら聴いている【Madonna】は、
1982年デビューだから、26年ほどブランドを守っていることになる。
1958年生まれというから御歳50。
ビデオの顔もええお母さんになっている。
生んだ子供がアトピーでマクロビオティックを実践しているらしい。


2008.06.29 Sunday

特別栽培 九条葱



水槽に浸けて掃除

九条葱の農家。
今年の初めから新しく取り扱っている、当社髄一のお気に入り。
農家っても九条葱の生産・販売で、年商○億円あるとか。

『生産・流通(卸)・小売と分業しているのは、日本くらいのもの』と聞いたことがある。
イタリアなど、どんなに小さくても自らデザインし、縫製し、表の店で販売するスタイルらしい。
だからこそ、ブランドと言えるのだろう。

初めてこの事を聞いた時は少なからずショックを受けた。
この九条葱は、ザック、ザクと切って、オリーブオイルで豚肉と炒め、
唐辛子あたりで味を調えると、シンプルで美味い。
肉気が駄目な人は、豚肉の代わりに厚揚げでも良い。
その場合は多少味付けを濃く、醤油と発酵料理酒を使ってトロッとさせるといい。
microsftに「くじょうねぎ」と入力すると、『苦情葱』と変換される。
機械も人を笑わせる力がある事を知った。

水槽で洗浄作業してくれているのは、嶋岡辰始副工場長。
葱の輝きを見てほしい。

冬でもこの水を使っているのだろうか。
水は細くではあるが、出しっぱなしである。
見たのが6月26日というこの季節で良かった。
冬ならお気楽に『写真を撮らせてください』なんて、
とても言えず、すごすご帰ってきただろう。
農家は口々に『吉田さんのような立場の人も必要だから』と言ってくれるが、
とてもとても‥。


機械が口を開けている

口を開けている機械の中に数本づつ根の部分から入れる。
以前、純と蛍で有名な富良野の【軟白ねぎ】農家で、この作業は見たことがある。
写真はガラス戸越に写させてもらった。
葱の、土と外側に付いている薄皮を剥く工程だ。
これまた別な北海道の葱産地で、
JAの名前は忘れてしまったが野球が出来そうな建物で、
全面この作業をしていたところに行った。
眼が痛くて5分と居られなかった。
季節にも因るのか葱にも因るのか、あそこでは慣れもあると聞いたが。
まこと、現場というものはこういう事である。
数ある葱の中から選んでいただき、お金と交換できる事はありがたい事だが、
互いに、ありがたいという気持ちも交換したい。


畑から搬入

さて、画像をよく見てほしい。
左と右の違いに気付いただろうか。
これは私の勝手な想像だが、
左は葱が折れないように衝立をコンテナに施している。
右は葱坊主が出来ている。
きっと、左が我社等が販売させてもらう、ひと束何ぼの葱で、
右はカット葱等、業務筋に流れる葱ではなかろうか。

収穫適期、食べ頃とは何だろうかといつも思う。
トマト、赤くなればカラスより少し早くもがないと。
きゅうり、これはカラスが絶対に喰いに来ない。
今、小豆島で食べ頃のびわもカラスと競争。
まこと、カラスはよく知っている。
カラスは食べ頃でだけではない、美味い樹とそうでもない樹を、
きちっと区別している。
ということは、きゅうりは食べ頃でない時期に人間は食べている。
事実採り忘れて、でかくなったきゅうりを、静岡の桜海老とあんかけすれば、
ほっぺたは落ちるし、顔は締まりなくなる。

長丁場になるがもう一節。
葱では葱坊主が出来る直前が一番美味いのだろう。
その頃には葱の肌が少し荒れる、そう、販売に堪えられないくらい。
スナップエンドウも、豆がゴツゴツするくらいの大きさを食べれば、
甘味をしっかり感じられる。
ところが八百屋稼業では、これを過熟と呼ぶ。
いずれも次の世代を生む直前が、一番充実していることになる。
我々は子供が子供を生む頃になって、ようやく味が少し出てくる。
しかし、喰えねぇ爺とか、ひとを喰った爺ってことになる。


定植後ひと月

ここで本気になって九条葱栽培の説明をしよう。
秋冬収穫の作型の、本来の栽培は、
前年11月くらいに播種。
3月に定植。
この間はタマネギでもそうだったが、殆んど成長は表に現われない。

7月頃収穫。
収穫と言っても食べる訳ではない。
30日から15日間、タマネギを吊るして干すように、
この葱を吊るして干しておく。
現代は、これまたタマネギと同様冷蔵庫に入れる。

8月〜9月にもう一度畑に戻す。
こうすることで、強い葱の苗が出来る。
この苗を植えて収穫すると冬の収穫時期に、
【餡葱(あんねぎ)】といわれる葱の内部に、
白いとろっとした餡が出来るのである。
この餡の甘みが、実は九条葱と他の葱と一線を画するところである。

そして、11月〜1月・2月頃収穫して食べるのである。
これを九条葱という。
但し、これは冬作の話。
関西育ちは葱を煮たり炒めたりして食べる。
典型的なのがすき焼きというメニュー。
すき焼きは好みが分かれる。
肉は最初1枚2枚だけでいい。
くたくたになった、葱が絶品である。
糸蒟蒻もなかなか。
麩が好きという者は通かもしれない。

反で4トン採れたとしよう。
畑を12ヶ月〜15ヶ月ほど占領されるわけだから、
反で最低150万円は必要だろう。
葉物なら60日で25万円くらいだろうか。
最近、農業って産業は技術があれば、
やり方次第では案外収益性の高い産業と思い始めている。
ただ、こうしてじっくり育てる葱と、
葉物の様に育てている葱との評価の違いは、
まだ一般的になっていない。

それは葱という野菜が薬味という位置まで
下がってしまったことが大きな要因ではなかろうか。
九条葱と雲丹のパスタってのもなかなか美味いもんである。

Powered by
30days Album
a>
香川県-坂手
提供:釣り情報フィッシングラボ