心意気
お客さん用のサンプルを麻衣が3本ほど頂戴と水谷さんにお願いをしたらしい。
産地では、毎日10000本出荷し続けているらしい。
選果が間に合わず、農協の選果機まで利用して選果をしても間に合わないらしい。
社長が『 どうせなら、2箱送ってやれ 』 と言って、ふた箱送られてきた。
大きく育ちすぎて、規定の25本が箱に入らなくて、22本入りで来た。
ターミナルのパートさんたちにも、1本ずつ配り我が家は3人働いているので4本回ってきた。
二日連続で茹でとうもろこしが、御飯前に食卓に乗ってきた。
ひと粒、ひと粒、がはち切れそうなふくらみ具合。
味がしっかりのって、こんなとうもろこしは北海道まで飛行機を乗らなきゃ食べられない。
土曜日に北海道を出て、画像は火曜日の夜。
前日の画像は、月曜日の夜。
とうもろこしは時間との戦いだから、日一日と味が落ちていく。
数年前、その日のとうもろこしを産地で茹でてくれて食べた。
その時は、貸元を事務所に残し、代貸しの案内で畑を回った。
栽培台帳を見てもこの会社の味の秘密は分からないので、畑で感じようと気がつけば2時間ほども畑にいた。
途中で、舎弟がいつまでやってんだと親分の注意を告げに来た。
来たけど、そんなことにかまっているほどやわではない。
南瓜にメロン、とうもろこしの畑を周って、最後のミニトマトの前で釘付けになっていた。
一段目から、このありさまだった。
『 北海道はいつ冬が来るかわからないから、スタートから飛ばしに飛ばす 』と説明してくれていた。
この房の向こうから吹いてくる風を受ければ、ミニトマトのひと玉、ひと玉の自慢が聞こえて来る。
ずうと座っていたかったが、案内役の彼らにも親分の手前があるので、諦めて事務所に戻った。
せっかく待ってくれていたとうもろこしは、すっかり冷えていたが、待ちくたびれた親分の頭は熱くなっていた。
いつまで畑にいるんだっ て、小言を右から左の耳に聞き流しながら、黙々ととうもろこしを味わっていた。
ハウスのとうもろこしで、少し早かったかもしれない。
画像を見ると7月の2日だったから、やっぱり味の記憶は正しい。
お盆休み直前に、姫路のスーパーさんが山のような注文を頂いていて、
大阪に送るなんて、手間ばかり掛かって儲からねぇ仕事はやりたくねぇんだ、
と叫ぶ割には、しっかり送ってくれるおやっさんの心意気に応えるために、もっと来シーズンは売ってやろう、
と思っている。
うちの儲けを渡してでもと思っているが、うちの儲けも大した事ないので、これでも言うせりふは変わらないだろう。
こんな美味いものを売らずして、何が食品スーパーなのか、スーパーの意味が違うのかもしれない。
もっと、こんな美味いもんを自分の店に来る客に食わしてやりてぇっ、
て心意気のスーパーの親父は、もっと他にいても良さそうなものだが、これがなかなか・・・・
ジョー 起つんだぁ〜 ジョー ッ