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2008.06.29 Sunday

特別栽培 九条葱



水槽に浸けて掃除

九条葱の農家。
今年の初めから新しく取り扱っている、当社髄一のお気に入り。
農家っても九条葱の生産・販売で、年商○億円あるとか。

『生産・流通(卸)・小売と分業しているのは、日本くらいのもの』と聞いたことがある。
イタリアなど、どんなに小さくても自らデザインし、縫製し、表の店で販売するスタイルらしい。
だからこそ、ブランドと言えるのだろう。

初めてこの事を聞いた時は少なからずショックを受けた。
この九条葱は、ザック、ザクと切って、オリーブオイルで豚肉と炒め、
唐辛子あたりで味を調えると、シンプルで美味い。
肉気が駄目な人は、豚肉の代わりに厚揚げでも良い。
その場合は多少味付けを濃く、醤油と発酵料理酒を使ってトロッとさせるといい。
microsftに「くじょうねぎ」と入力すると、『苦情葱』と変換される。
機械も人を笑わせる力がある事を知った。

水槽で洗浄作業してくれているのは、嶋岡辰始副工場長。
葱の輝きを見てほしい。

冬でもこの水を使っているのだろうか。
水は細くではあるが、出しっぱなしである。
見たのが6月26日というこの季節で良かった。
冬ならお気楽に『写真を撮らせてください』なんて、
とても言えず、すごすご帰ってきただろう。
農家は口々に『吉田さんのような立場の人も必要だから』と言ってくれるが、
とてもとても‥。


機械が口を開けている

口を開けている機械の中に数本づつ根の部分から入れる。
以前、純と蛍で有名な富良野の【軟白ねぎ】農家で、この作業は見たことがある。
写真はガラス戸越に写させてもらった。
葱の、土と外側に付いている薄皮を剥く工程だ。
これまた別な北海道の葱産地で、
JAの名前は忘れてしまったが野球が出来そうな建物で、
全面この作業をしていたところに行った。
眼が痛くて5分と居られなかった。
季節にも因るのか葱にも因るのか、あそこでは慣れもあると聞いたが。
まこと、現場というものはこういう事である。
数ある葱の中から選んでいただき、お金と交換できる事はありがたい事だが、
互いに、ありがたいという気持ちも交換したい。


畑から搬入

さて、画像をよく見てほしい。
左と右の違いに気付いただろうか。
これは私の勝手な想像だが、
左は葱が折れないように衝立をコンテナに施している。
右は葱坊主が出来ている。
きっと、左が我社等が販売させてもらう、ひと束何ぼの葱で、
右はカット葱等、業務筋に流れる葱ではなかろうか。

収穫適期、食べ頃とは何だろうかといつも思う。
トマト、赤くなればカラスより少し早くもがないと。
きゅうり、これはカラスが絶対に喰いに来ない。
今、小豆島で食べ頃のびわもカラスと競争。
まこと、カラスはよく知っている。
カラスは食べ頃でだけではない、美味い樹とそうでもない樹を、
きちっと区別している。
ということは、きゅうりは食べ頃でない時期に人間は食べている。
事実採り忘れて、でかくなったきゅうりを、静岡の桜海老とあんかけすれば、
ほっぺたは落ちるし、顔は締まりなくなる。

長丁場になるがもう一節。
葱では葱坊主が出来る直前が一番美味いのだろう。
その頃には葱の肌が少し荒れる、そう、販売に堪えられないくらい。
スナップエンドウも、豆がゴツゴツするくらいの大きさを食べれば、
甘味をしっかり感じられる。
ところが八百屋稼業では、これを過熟と呼ぶ。
いずれも次の世代を生む直前が、一番充実していることになる。
我々は子供が子供を生む頃になって、ようやく味が少し出てくる。
しかし、喰えねぇ爺とか、ひとを喰った爺ってことになる。


定植後ひと月

ここで本気になって九条葱栽培の説明をしよう。
秋冬収穫の作型の、本来の栽培は、
前年11月くらいに播種。
3月に定植。
この間はタマネギでもそうだったが、殆んど成長は表に現われない。

7月頃収穫。
収穫と言っても食べる訳ではない。
30日から15日間、タマネギを吊るして干すように、
この葱を吊るして干しておく。
現代は、これまたタマネギと同様冷蔵庫に入れる。

8月〜9月にもう一度畑に戻す。
こうすることで、強い葱の苗が出来る。
この苗を植えて収穫すると冬の収穫時期に、
【餡葱(あんねぎ)】といわれる葱の内部に、
白いとろっとした餡が出来るのである。
この餡の甘みが、実は九条葱と他の葱と一線を画するところである。

そして、11月〜1月・2月頃収穫して食べるのである。
これを九条葱という。
但し、これは冬作の話。
関西育ちは葱を煮たり炒めたりして食べる。
典型的なのがすき焼きというメニュー。
すき焼きは好みが分かれる。
肉は最初1枚2枚だけでいい。
くたくたになった、葱が絶品である。
糸蒟蒻もなかなか。
麩が好きという者は通かもしれない。

反で4トン採れたとしよう。
畑を12ヶ月〜15ヶ月ほど占領されるわけだから、
反で最低150万円は必要だろう。
葉物なら60日で25万円くらいだろうか。
最近、農業って産業は技術があれば、
やり方次第では案外収益性の高い産業と思い始めている。
ただ、こうしてじっくり育てる葱と、
葉物の様に育てている葱との評価の違いは、
まだ一般的になっていない。

それは葱という野菜が薬味という位置まで
下がってしまったことが大きな要因ではなかろうか。
九条葱と雲丹のパスタってのもなかなか美味いもんである。

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