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2009.12.31 Thursday

大晦日 2009


 


紅白歌合戦を見たいと、何とかネットに出て来ないか、
1時間以上も、あれこれ、覗いてみたが、
出て来ては、くれなかった。

前作の畝の掃除をして、耕して、整地して、
次の播種をして、アーチを掛けて、
ビニールを張って、
これで、1月の25日過ぎから出荷する、
ベビーリーフの準備をした。

これで、今年の仕事は、高槻も小豆島も、
すべて、終了した。

後は、新年を迎える準備で、
今年は、是非、門松を用意したくて、
実は、一年間、ずうと考えてきた。
その出来た門松が、真ん中の画像で、
近くに、松の未生を探してきた。

寒くて、震えながら、山を徘徊して、
ようやく、大小2本ずつ、掘り起こして持って帰ってきた。

半紙を横に半分に切って、それを更に三分の一に折、
適度な長さにして、タコ糸で結んだ。
少し赤が有った方が、
正月らしいので、
内輪の話として、赤マジックで、
スルスルと線を引いた。
何でも松は、根を張ったものでないと、
との事だったから、其処に一年間想いを託した。

偶然とは、凄いもので、
そんな松を探しているさなか、
『吉田さん』と背後で声がした。
『えっ!』と、思って、振り返ると、
小森のおばあちゃんが、『何をしてるの』
『門松用の松の未生を探しに来てる』
『私は、ウラジロを採りに来た』
らしい。
いくら、二軒しかない御近所とはいえ、
こんな、山の中で、ばったり出会うとは。



2009.12.29 Tuesday

仕事納善哉






なんじゃかじゃ言いながら、
今年も無事仕事を納める事が出来た。
明日も明後日も、非公式には仕事は続くが、
公式的には、ひとつの区切りではある。

それぞれの家族に『健康牛』の、
『特上ロースすき焼き用』を、
600gお土産に渡す事も、
今年は復活出来た。

画像は渡辺さんの発案で、善哉をみんなで食べて、
それで、それぞれへの労いを今年は出来た。
何はともあれ有難いことである。

この善哉に入っている餅は、『健康豚』の仕入先である、
新潟県南魚沼市にある『まきば』の兄弟会社『(有)魚沼炊飯』が、
いつの頃からか、年末になると、この美味い餅の注文を受けてくれる。
この仕事は、本当に美味い物を食べる事ができて、食べ物屋冥利に尽きる。
自分が食べて、< 美味い!> と感じたものは、全部みんなに食べてもらいたくて、
出来る限り商品化したいと思って、やってはいるが、これがなかなかである。
何故みんなに食べてもらいたいと思うかと言うと、幸せになってもらいたい、
ただ、そういう理由だけなのだが、商品化する事で、食べる人以上に、
それを生産・製造する人が負担になってしまう場合もある。
それでは、本末転倒だから、ここが腕の見せ所で、
その腕に説得力という部分が必要になる。
その底には利益を共有するという、
その哲学が、絶対条件、
となる。

本来は伝達程度、伝えれば事が成るといいのだが、
これが、みんなのそう多くはない欲をも、
満足できなければ断念する。

この餅は商品ではないのだが、実は未だ諦め切れていない。
来年早々には、この南魚沼市の中に旧大和町という地域がある。

私は、というか当会社も、この大和町のお陰で、商売が成り立った側面がある。

鶏肉と豚肉・牛肉で商売を始めたのだが、
その豚肉と牛肉は、この大和町育ちであった。
従業員全員が宣伝販売に立つ事を義務付けてまで、
一所懸命に力を注いだ『魚沼西瓜』も、大和町育ちである。

この旧の大和町地区の産物を特集して、営業をしていく企画が現在進行している。

随分前の話で、この会社も未だ存在していない頃だが、
『清一郎君、仕事は仕入先とお客様と両方から≪ありがとう≫
と、言ってもらわなければならない。そういう仕事が出来れば、
はじめて、自分も、幸せになる事が出来るという事になるよ。』
そう言われた事があった。

思い出したが、新潟県に住んでいる頃で、
雪の間、滋賀県栗東にある松下電器の工場に出稼ぎに来ていて、
春になり、その帰りに、東京に寄って、久し振りに昔世話になった人に会った、
私が、唯一口で勝てないと思っている、その人が、そう言ってくれた。

私は、人に、恵まれているなあと思う。
『客に媚びるな、仕入先に威張るな』という教えも、
『仕入先を、大事にしないと、伸びないぞ』という教えも、
『どんなに辛くなっても、ヤケを起こしたらあかんよ』という教えも、
年端もいかない頃に、みんな目上の人が私に言ってくれた。
その通りで、来ているか、どうか、は難しいところだが、
少なくとも、その事を私自身念頭において、
会社をやってきたつもり、である。



2009.12.29 Tuesday

ベビーリーフ ハウス内トンネル

 

小豆島農場で栽培している、ベビーリーフを出荷し始めて、約2ヶ月が経つ。
お陰さまで、『柔らかくて美味しい』と好評を頂いているし、
それまでの3倍4倍と御注文を頂いている。



特にクリスマス用に、特別なシールを、拵えて、
ちょっと洒落たガゼット袋が、ことのほか、好評を頂けたようである。

商品名も『瀬戸内ベビーリーフ』となっており、
昨年より小豆島直営農場生産分に限らず、
瀬戸内産の野菜をシリーズで、ラインアップしたいと考えている。



ところが、肝心のベビーリーフが寒くて、成長が追いつかない。
そこで、どこかで見覚えがあった、上の画像のように、
ハウスの中にもうひとつトンネルをつけた。
そうすると、さすがに暖かいのか、
よく成長するようになった。

私も、最近では、
羽毛布団の上に、純毛の毛布を、
重ねて寝ると、これが掛け布団もずれなくて、
暖かく、夜が明けているのに未だ寝てしまっている。

2009.12.28 Monday

玉葱 移植完了

 

極早生『浜の宝』5畝、晩生『もみぢ3号』1反5畝。
やっと、移植が完了した。

今作で三作目だが、色々勉強をさせてもらった。
来年の収穫時の結果次第でもあるが。


余談から書くと、左の画像は、
最終の苗採りをしている時に、佳代子が笑い出した。
元々蜜柑畑だったところを、ベビーリーフ用のハウスを建てる為、
去年、開墾して、その空いたスペース1畝程のところに、苗床を作ってある。
そのスペースの丁度、山からの水が流れてくる辺りに当たる畝から、
どうやら薬瓶に足を突っ込み、そのまま根を張った苗が出てきた。
瓶の中には1本根を入れているだけなのだが、
これが、意外にしっかりしていて、
ぶら下げても、切れない。

何が入ってた瓶なのか、随分考えたが、
もうちょっとの事で、分らない。
一番有力なのは、仁丹ではないかと思う。
後は何かの液体の塗り薬で、キャップに刷毛が付いた、
赤チンのような消毒液でも、違う気がするし、
でも、子供の頃、確かに見た覚えがある。
気になるが、諦めた。

右の画像は、あと数畝で完了という時に、思いついた。

今までは、単にバァーっと穴目掛けて、
たこ焼きの鉄板に、メリケン粉を流すように、
水を遣っていたのだが、これだと通路まで零れて、
苗を植える時に足元がじゅるくなり、移植口に水気も足りない。
昨年にこの水遣りの道具を作ったのだが、今年は条間が合わないから、
単にホースの延長としてしか見ていなかったが、
ふとした拍子に、隣の列と、ひと穴違いで、
たすき掛けの様に遣ると、
穴と蛇口がピッタリ。

今度は大判焼きのひとつひとつに、同時に充填している雰囲気である。
マルチの穴に突っ込むと、しばらくして泡(あぶく)が出て来て、
自然と二股の先が沈み込んでいく。

これで、水圧が植え込む穴も同時に開けてしまうので、
英さんお手製の、穴あけ道具を使わずに済み、
ひと工程省く事が出来た。

何をしても、あと少しで終わりという頃になって、
そのシーズンの最良形が生まれる。
これで、ないシーズンまで覚えていられれば良いのだが、
『あれっ、去年どうしてたかな』っ事が多い。

肝心の玉葱は、10月の初旬に種を撒き、3ヶ月弱の日数、育苗していた事になる。
去年に星君が『鉛筆の太さ‥』と、盛んに苗の適切な大きさを言っていたが、
それより大きな苗もあるが、一番適した太さになっている気がする。
確かに、移植していても『しっかり』していて、頼りなくない。
『太苗にしない』って事が、一昨年前から、
ずうと意味が分らなくて、
苦労していた。
でも、
今年の偶然からすれば、
やっぱり、この程度の太さで移植した方が、
活着(かっちゃく)が、いいような気がしてしょうがない。
ただ、春にならないと結果は分らないが。
去年は、最終的に葱坊主が出来てしまったが、
何故、そうなったのか、未だによく分らない。
小豆島の畑は、みんな同じように、葱坊主が出来ていた。
ただひとり、手伝いに来てくれている小森のおばちゃんのところだけは、
『みんな、そういうけど、うちは大丈夫やったでぇ』と言っている。
どう違うかといえば、
『その前の年に、自分とこだけ抽苔したから、少し、早い目に播種した』
と言って、9月の初めには種を蒔いたらしい。
今年もそうしたと言っている。

うちは、今年は例年より種蒔も遅く、10月の5日だったと記憶している。

来年の種蒔は、9月の10日〜15日頃に蒔こうと思っている。
どうも、育苗期間が過去2年は短いような気がしてきた。
小豆島なら、2ヶ月から移植を始めて、2週間で、
移植完了が11月下旬の2ヶ月半となる。

昨日、2反借りている大家の岡本保さんに、
年末のご挨拶に伺ったところ、
『あそこは何を植えてるのじゃ』と、
早生品種を栽培している畑を指して、言われてしまった。

『玉葱ですよ』って、苦い思いで応えた。



2009.12.25 Friday

御曹司

 
 

  Jackson Brown。
この歌手は、高校からの友達で、一時期よくタイに一緒にいっていた、
カイチって、ちょっと垢抜けした彼が、80年頃にテープを、
彦根まで持って来てくれたのが最初だった。
矢ノ目君、この人は何処から来たひと?

どうも、金持ちだか、貧乏だか知らないけど、
どちらにしても、お坊ちゃんなんだろうか、
とてもミュージシャンの顔をしていないように思う。

一度聴いたら忘れられない唄いっぷりが好きで、
ジャッケットは、アメリカの何処かの街を、
ひとり目立って歩いている、
そんな写真だった。

そんな、我関せずって顔のように思う。

ふとした拍子に、このYou Tubeのビデオを見ていて、
総理の鳩山由紀夫を連想してしまった。

今、テレビで騒いでいる、なんだっけ、
お母さんからの献金だっけ。

浮世離れというか、
その度合いが、並を遙かに超えていて、
それでも、献金献金って、自分達と同次元に、
見ている論調が可笑しくてしょうがない。
細川某かも、そうなのかも知れないが、
あの人とは、似てるようでも、チト違う感じがしている。
そんなふうに思うのは、私だけ  かな。

彼の人は、自分の域を出ない気まぐれの、お遊びだったような気がするが、
此の人は同じお遊びかもしれないが、真剣度が違うように思ってしまう。
自分に対する拘りや、家財に対する執着や、評価なんてものには、
まるで頓着していないように感じるが、良く思い過ぎだろうか。

お母さんの『えっ、なにか‥ありました?』って顔も好きで、
雰囲気的には、ほとんど無視されている様な、
そんな風に感じてしまうから、これは、
じっくり見てると、面白い事が、
ひょっとするとだけど、
‥‥‥んと。




2009.12.25 Friday

栽培 にんにく ホワイト六片

 
二回目の土寄せのついでに、
清和肥料工業の『AZ有機』って肥料を追肥した。
成育も順調だが、まだまだ先の長い話。
反当り100kgの勘定で、75kg施肥した。

本当は、殺菌剤を散布しようと思っているが、
何を散布したらいいか決めかねていて、
『年内は、いいかな』と思い始めた。
年明けに、何か決めて散布しよう。

実のところ、土寄せをした方がいいのか、
する必要があるのか、しない方がいいのか知らない。

でも、これで7cm〜8cm程度、寄せたように見えるので、
このままでいいかなと思っている。
だた、チラホラ厄介な草が見え始めた。
島の爺さん曰く、『儂等は《貧乏草》と呼んでいる』草である。

去年は、この草に玉葱が負けた。
その時に、そう教えてくれた。
何でも、抜くと土がべったり付いてくるかららしい。
土が付いてくると、何故貧乏を連想するか聞いて、
応えてくれたけど、あまりピッタリと違ったので、
そのイメージは忘れてしまった。
むしろ、その爺さんの貧乏という言葉が、
何やら私にはインパクトがあって、
それは、他と比べてそういう気を持たれたと思った記憶がある。
その爺さんは、その近くでは一番土地を持っている筈だが、
『しがみつく』ってイメージだったかな。
話し方に、自分は貧乏じゃないって感じがした。

いっぱい遊んでいる畑を持っているので、
ある時『貸してよ』って言ったら、『冗談じゃない』って返事だった。
現役の時は、借りてまで畑を広く、耕していたらしいが、
自分が他人に貸すのは、冗談じゃないっても、
まあ、そういうもんかな。

そうそう、草をどうしようかって事だった。
両端は三角鍬で削って、畑の外に出せばいいが、
条間の草は、結局手で抜くしかないな。
また、畑の中を這いずり回る時が来る。

『桜の咲く頃に、草に負けないように』って、
青森の沢田君のセリフが、頭と胸に響いている。
2009.12.24 Thursday

寿司屋

 

お替りの皿が出て来て、カメラを取り出したら、
この画像を彼が撮ってくれた。

この画像だと、米がほんとにふんわり握ってあるのが良く判る。
今まで意識しないで、食べていたが、食べる時に崩れた事が無い。
いつだったか『御飯の量が丁度いい』って言った時、
何粒握っていると言ったか忘れてしまったが、
『2粒か3粒違いの正確さで握れる』、
と言っていた。

私らにしてみれば、ジャガイモを500g計るのに、
ワンタッチかツータッチで計れるのと、
似たような事だ。

ここは『喜久寿司』って、高槻京都ホテルの前にある。
高槻京都ホテルに御飯を食べに行ったら、
もう和食もフランス料理屋も中華屋も、
ラストオーダーを過ぎてた。
フロントで『ここらで美味しい御飯を‥』と聞いたら、
『向かいのお寿司屋さんは評判です』と、
教えてくれた。

昔からお寿司は好物で、
どこの街に引っ越しても、必ず、
気に入るお寿司屋さんを見つけてあった。
高槻でも、JRの駅前が行きつけで、何年か通った。
大将は、黙ってても、私が食べたいネタを、
食べたいペースで出して来てくれた。

酒を飲みながらじゃないので、
他の人よりも、食べるペースが速いし、
あまり量を食べる方でもないので、
さっさと食べるから、あっという間に終了して、
お愛想となる簡単な客である。

ところが、其処の大将は、ありがちな一徹で、
機嫌が良くない時に行くと、数人の従業員にあたり散らす。
カウンターで目の前だから、こっちがその従業員さんに恐縮してしまう。

そんな時に、この喜久寿司を薦めてもらったので、
それ以来、こっちに通って、もう10年以上になる。

ここの大将は口が重く、あまり目の前の客と話をしないので、
その分こっちも気楽に、好きなように食べていられる。
ある時、互いに巳年生まれだって話になって、
そうそう、私が48の時の事になる、
計算して『じゃあ、60ですか』って言ったら、
私は冗談ではなく本気で言ったのだが、呆れられて、
同じ歳だって事がわかった。

寿司をつけて食べる醤油が美味いので、
ふと、聞いてみると、出汁を混ぜているらしい。
生姜だけではなく、大根を薄切りにして出してくる。
この大根も薄っすら味が付いていて、
どれだけでも食べられる。

ちょっとしたお客さんなら、
いつもここで一緒に食べていた。

最近は、そういうお客さんも来なくなったので、
あまり食べる機会が無くなったが、
小学校から一緒の彼、田中印刷所の社長が来てくれると、
前回から、佳代子も誘ってここに来る。
同窓会みたいなもんである。

2009.12.23 Wednesday

ホウレンソウ

 

このホウレンソウは『しゃぶしゃぶホウレンソウ』として、
この冬に売り出すつもりだった。
自我自讃だが、柔らかくて、昔食べたホウレンソウの味が、
かすかにだが、確かに残っている。
硝酸態窒素の残留も、未だ測定が不慣れで、
計る度に数値がぶれるのだが、
200ppm〜400ppmで平均が留まると見ている。
これで、光合成を助長してやれば、
もう少し良くなりそう。
ただ、播種してからもうひと月以上経つので、
茎が少し筋ばってきている。

やっぱりトンネルを掛けて、湿度と温度を高めて、
蒸し湯でのような栽培にしてやると、
食べる人が、普通に料理しても、
喜んでもらえるかもしれない。

でも、抜いて洗って根を切って、計って袋に入れて、
箱に詰めてヤマトで送って、
それで丁度画像に写っている程度の量で、
良くて、100円ぽっちで売れるか売れないか。

さういえば、昨日読んでいた何かに、
そうそう、先日紹介した照沼商店の社長が送ってくれる、
メールマガジンのような、凄く考えさせられる記事だった、
その中に、昭和30年代は、ホウレンソウ一束が、
国鉄のひと区間の乗車賃だったと書かれていた。

今なら半額以下かな‥。

しばらく前に、長崎の末吉君がブログで『レタスの墓場』って、
結構刺激的なタイトルの記事を書いていた。

彼のブログから引用開始

理由は、相場が安いから。
このレタスは11月下旬収穫のレタスだったと思われる。
11月中、下旬は、レタスは一箱10円ポッチしかもらえなかったときもあったらしい。
箱代が、だいたい百と何十円くらいだから
出荷したら、出荷したぶん一箱につき百円ちょっと赤字になっていく。

引用終わり
どうにも不機嫌になってしまう。

末吉君も、『‥農家の創意工夫‥それも無限にある‥そこがおもしろい』と、
きっと、気を取り直して、そう添えたのかな。


私も順序として、合うか合わないか分からない、
ホウレンソウに手を伸ばしていくよりも、
これは、島の直売所に出す分だけにしておいて、
もう少し、ベビーリーフを増やす手立てを考えた方が良いと、

彼に学んで、私も気を取り直す事にした。


2009.12.19 Saturday

生姜のコンフィチュール




さすがは島というのか、これで木曜日に来てから、
3日連続で、半端ではない風が吹き荒れている。
『東風吹かば 匂いおこせよ 梅の花』 だったかな。
この島では、東の風はそんな、のどかな程度ではないよな。

ここの地形は、南が海で、東と北と西は山に囲まれている。
島の方に言わせると『この島では典型的な風が舞う地形』らしい。
ここで、ハウス栽培をすると言ったら、『 おい おい 』って事で、
そう教えられた。
確かに、風が舞っていて、小さい竜巻のように、
進んでいくのをよく見かける。
湾の中でも、海面が渦巻きの逆に、
上へ飛沫(しぶき)を上げて踊っている。

さて、夏からよく世話になっている、
『生姜のコンフィチュール』

高知の西村さんの生姜を島のマルヨシセンターさんで、
ちょっと無理を言って扱ってもらっている。
最近、ようやく定着し始めたかな。
最初は普通の高知産の生姜が圧倒的に売れていた。
西村さんの生姜は2〜3割り高いので、
いつ行っても棚に満杯で、
『まあ、その内食べてくれれば違いを認めてもらえる』
そんな風に思っていたが、今では違和感無く、並んでいる様子なので、
それなりにファンが出来始めたと感じている。

その生姜を買って来て、砂糖・唐辛子・蜂蜜にレモン汁で煮てある。
一番良く使われているのが、画像の豆乳ジュース。
ハンディーミキサーみたいな道具で、
バーミックスだったかな、これでガァーっとやる。
朝、これを一杯飲むと、『さーあて』という気分になる。
どこまでウイルスに対抗できるかであるが、
そういえば、唐辛子やにんにく、生姜と、
割とこの手の調味料をよく使う。

唐辛子の栽培はようやく終焉を迎えているが、
にんにくの栽培は、今からスタートする。
昨日、長崎の末吉君の『ジャンボにんにく』が、
『葉が8〜10枚』って書いてあったから、
うちのにんにくはどうなっているのだろうと思いながら、
『カルビタPK』って葉面散布剤を撒きに行った。
風が強くて、撒いている半分は霧散してしまっているが、
にんにくの茎はしっかりしているので、
中心目掛けて、近くから散布してやった。

葉が4〜5枚出ていた。
葉は出ていても、実は未だお母ちゃんの腹の中かな。
この時期は何が必要か分らないが、窒素は未だいいだろうと思い、
リンゴ酸・クエン酸カルシウムの有機酸カルシウムに、
リン酸、カリウム、苦土、マンガン、ホウ素、鉄、銅、亜鉛、モリブデンの、
微量要素がやたら入っているが、寒そうな資材を使った。

私は酒類は飲まないし、生姜で身体を温めているが、
にんにくも、これだけ寒ければ、
アルコールの一杯もやりたいのではないかと思う。

2009.12.18 Friday

梅の樹



この家の庭に、一本、観賞用の大きく立派な梅の樹がある。
もちろん、春には大粒な実が成る。

先住者が何処からか購入してきて、門の横にシンボルとして据えたものだと思うが、
なかなか見応えのある姿をしている。

一昨年、この家に来て直ぐの剪定期には、
この家お抱えの果樹専門の農家が、すべての庭と園の剪定をしてくれた。
もう80を超える爺さんだったが、腕は確かで、
剪定作業を一緒にさせてもらって、
ひとつ教えてもらったのは、
『切りたい枝は、一本抹消の枝を残してその先を切れ』
だった。
理由は、『樹が暴れるから』。
何故樹が暴れるかというと、『エネルギーの行き場が無くなるから』、
という事だった。

分りやすい説明だったが、
昨年の秋に、星の家族が来訪する事になって、
一本くらい手入れをしておきたいと思い、
その場で見せる為だけに剪定した。

そのツケは大きく、上の画像は下段・中段のざっくりした剪定を終えたところだが、
丁度、山の稜線と被っている所から上を見れば、
どれだけ、暴れたかが分るのではないかと思う。

動物は、食べる事と呼吸を命の両輪としているが、
植物は、根から栄養素の吸収と、
葉からの光合成を、同様に両輪としている。

ほとんど、抹消の枝を残さなかったので、
こりゃ拙いと思ったのだろう。
実どころか、花もほとんど咲かなかったから。
慌てて、どんどこと枝を張った。
それらの枝は、あまりに急激に太く長くなるから、
樹皮が追いつかず、女性の妊娠線のようになっていた。

上段は、幹に脚立を掛けて、届いたが、
最上段だけは、樹に登らないと届きそうも無い。
右の画像が最終形だが、この幹の様に、
身をよじりながら、上まで届く処へ、
登って、小型のチェーンソーで、
必死になって切り落とした。

もともと身体を使う方が性に合っている人間だが、
今まで、頭をこねくり回して生きてきたのに、
ここにきて、命の素と近いところと、
直接対峙する事が、
こんなに多い生活をするとは思わなかった。

玉葱の移植作業が未だ終わらない。
木曜日には、島に着いて、喰うもの喰って、
畑に走って行き、トラクターに飛び乗った。
お陰で、たまっていた通路の水も半ば引いてくれて、
マルチを張れるだけの畝作りを終えた。

風さえ吹いていなければ、ひとりでもシコシコマルチくらい張れるが、
これだけ吹かれては、と思い断念して、恨めしそうに梅の樹を剪定した様子が、
読み返してみると、文章全体に出ていて、何だか自分が哀れである。

畝成型機の後ろに付けるアタッチメントで、
畝を作った尻から、マルチを張ってくれるのがある。
あれがあれば、ひとりでも、同じ手間で張ってしまえるのに。
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提供:釣り情報フィッシングラボ