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2010.02.28 Sunday

男爵 植え付け

 
こうして、アップで見ると、この畑は、
思っている以上に砂混じりの様子になっている。
そのせいか、昨晩にも時間3mmという降雨量が、
夜中から明け方まで、通して降っていたが、
畑は、それほどでもなかった。

昨日の午後と、
今日の午前中で、
予定の400kgの種芋を、
無事、植え付け終了。

種芋の芽の出具合は、これでいいのかどうか。
仕入先の農家に聞いて、キトサン入りアルコールに、
100k倍水を水槽に入れて、適当な時間、浸けておいた。
静岡の土の上の博士は、トレハロースも入れたように言っていたが、
これは、すっかり忘れていた。

ところで、この芽の部分を、
上に植えるか、下向きに植えるか、
人それぞれだと思う。
理論的には、土の中での成り方は、
この芽が集中している部分が、下を向いて成るので、
そのまま、下に向けて植える方が、自然の理に適っている、
そういう風に教えてもらった。

八百屋稼業で、ジャガイモの芽欠きはよくしていたが、
根まで一緒の所から生えてくるとは考えていなかった。
そうすると、芽より、根が下向いている方がいいような気がしてきた。

実際、必死になって植えている時は、
いちいち、その切られた種芋のどの部分に、
芽が出ているのか確認している間などない訳で、
とりあえず、『切り口を上にして植えてくれ』と指示している。
だから、画像の芋なら、芽は横向きに植わった筈だ。

機械で植えるなら、機械が芽の位置を識別できないし、
ただ単に上から転がり落ちるだけだから、
頓着していられないってところだろう。

人間の手で植えたって、
間隔は気にしなければいけないし、
早く終わりたいと思ってしまうので、

あー、そんな事より、
とりあえず無事終了したって、

ホッホ ホー ホキョケ キョー

2010.02.26 Friday

たまねぎの栽培 追肥



思いの外(ほか)、良くなってきてくれた早生玉葱。
【浜の宝】って品種で、早く育つ以外、
特徴があるのか分らないが、
美味しくなってくれる事を期待している。
元気は元気なのだが、もう少し野太く、立ってほしい。
それでも、やる事なす事、なかなかうまくいかないので、
先ずは、心沈まず、作業をしていられる。

この畑の向こう側の、耕してある所に、
この週末、一反と少し、【男爵】を植えつける予定。
ここから、トラクターで農免道路を5分ほど走った畑に、
そこも、一反と少し、男爵と【インカのめざめ】を植える。


今からの雨模様を気にしながら、
昨日、今日と、玉葱に液肥を追肥した。
このマルチの穴の中に、肥料をコントロール良く、
施肥するなど考えられないので、結局液肥にした。
大体に撒いておいて、液肥等で穴に流し込む、方法も、
あると教えてもらったが。

有機入り液肥ってのがあったので、
『‥入り』って事は、有機だけじゃないだろうと思うが、
今のところ、背に腹は代えられないし。

写っている道路は一応県道で、車の往来もあるが、
こんな事をしていても誰も文句を言わない。
画像の赤と藤色のドラムが、
ホースの取り回しに、とても便利がいい。
二個で7千円といくらかして、びっくりしたが、
まったくストレス無く、自分にホースが着いて来てくれる。
これは、星がひとりで苦労してる時に、
気が付いて買ってやれば良かったと、
使うたびに、そう思いながら遣っている。

田中印刷の社長から、陣中見舞いのメールの返信に、
山口県のコークスや石炭を販売している会社の女性社長が、
52歳の若さで亡くなった事を書いてある記事が、
添付でやって来た。

何の事やら分らないだろうが、
生きてるうちに、やれる事をやっている事が、
花なのかなって、返しておいた。



2010.02.20 Saturday

スーパーマーケットトレードショー 番外編

 
今回は、ムソー株式会社さんのブースで、お世話になった。
半分、私の我侭で出展させて頂いたようなものだが、
話も急だったので、ブースも急ごしらえだった。

どんなに趣向を凝らしても、
お金を掛けられる企業さんとは、
見劣りするのに決まっているのに、
それでも、普段、自分達がしている事を、
精一杯披露できれば、共感していただける方とは、
必ず出会えるのではないかと、そう信じていた。

そう信じて『やらせてもらおう』と思えた理由が、
実は、ひとつだけあって、
それは、私の知人が経営している有限会社田中印刷所の存在。
この会社は、印刷業界という成熟しきった産業から、
一歩抜きん出てきてところ。
最近は、展示会に頻繁に出展して、
出るたびに、そのステータスを上げてきている。

その様子や、普段やっている事を社長がブログに書いているが、
そのブログに次のようなコメントが入っていた。

ちょっと無断で引用させてもらう。

”雑用係りさんのコメント”引用初め‥
通りすがりで、コメントなどと、失礼します。

私は、某外資系半導体企業にいる為、こういったShowにはちょっと縁があるのですが、そうですね、CEATECは大手企業の大きなブースがたくさん派手 な展示をやっていますね。 でも、派手さはあっても、結構似たりよったりだったり、発想自体は普通だったりしますね。 多大、大手でお金、人手、設備、そ して協力してくれる関係企業や取引企業などが充分にあるので、実際に「やれる」だけで、特に最近は、何処を見ても「どこかで誰かが」とか「世間でみんな が」言っていることをやってるだけのように見えます。
小さい企業の方が元気一杯で夢もたくさん持っている会社が多いように思います。 
ですので、がんばってください。

物に価値を与えるのは、技術だけではなく、夢のあるアイディアも大切と思います。 技術は勿論重要ですが、それは、技術自身が前に出るのではなく、夢のある物をの実現を下支えするものだと思います。

最近、大手企業の夢の無さにうんざりしていたので、ちょっとコメント残したくなりました。

では、失礼します。
‥引用終わり


私は、このコメントが大好きで、今まで、五回は読んできた。
勝手に若い方と決め付けているが、
文章全体が知性と謙虚さで溢れている。
私は、こういう視点で生きられたらいいなあ、
と、常々思っている。

今回、出展出来る事になって、
真っ先に思い浮かんだのが、このコメントの中身だった。
大手メーカーが、社会全体の経済の下支えに、貢献している事は、
百も承知の上での話しだが、
何か当社に、光を感じてもらいたいと、
厚かましくも、そう思って、ガンバッてみることにした。

これから、商売上のどういう関係が新たに築けるのか、
それは不明だし、今後の努力も一層必要なのだが、
多くの方に、【無塩せきハム】を食べてもらって、
その、驚きに似た表情も、
あの「えらい真面目に作っとるなあ」の呟きが、
聞けただけでも、その甲斐はあったと、満足している。

来月上旬には、名刺を頂戴した方々を訪問させてもらいたいと思っている。

その節は、何卒、宜しくお願い致します。

どうもありがとうございました。
2010.02.19 Friday

スーパーマーケット・トレード・ショー 4




思うところ有って、竹を材料に堆肥を作ろうとしている。
うまく醗酵していない理由は、二つある。
ひとつは、竹を粉砕しただけで、磨り潰していない事。
これを植繊機というので、繊維質がむき出しになるくらいにすれば、
もう少し醗酵しやすくなるのだと思うが、その機械は高価で手が届かない。
それなら、もっと菌を増やす事が必要になるのだろうが、
これも、なかなか、お金が掛かる。
まあ、気長にやろう。

孤独を怖れながら、我が道を行っているが、
こんな私にも、一緒になってやってくれたり、
応援、援助を、くれる人がいてくれたりする。

今回の展示会で3泊4日で、一緒に付き合ってくれた、
最初の項に映っている、『穴沢純』君の話を、
どうしても、書いておきたった。

31歳って言ったか、32歳って言ったか、
歳を聞く割に、相変わらず直ぐに忘れてしまうが、
晩飯3回、朝飯を3回、仕事中は毎日、10時から5時まで、
ずうと、至近距離にいて、私を支えてくれた。

今まで、2回、宣伝販売に来てくれたが、
話をしに来た訳ではないので、話した事は無かった。
その印象からは、『大人しい人』、って受け止め方だった。
オトナシイって音に【大人(おとな)】って漢字を当てはめるが、
タイジンって読めば、立派な人って意味にも置き換わる。
その名の通り、少し若い、昔気質の武士(もののふ)。

最初の夜に、世間話から、本質的な話に切り替えたのは、
彼の方だった。
私のくだらない話が長く続くと、彼は詰らないのだろう、
真剣になれる話題に、スウーッと切り替えてくれる。
私は、その提供される雰囲気に乗って、
話をすればいいだけだった。

寡黙に見えるが、会話が好きなんだな。

最初の話の入れ口は、
『ヘルプ一乗寺さんという店は、信じられないくらいお客様との距離が近い』
と、言う事だった。

『説明をすれば、食い入るように聞いてくれるし、
説明しなければ、お客様から説明を求めてくる』
『あんなお店は初めてだ』と言っていた。

彼の口を借りて語っちゃ申し訳ないが、
『本当は、お店の担当の方に、宣伝販売を見ていて欲しい』って意味の事も言ってた。
私も、常々、商品情報は、メーカーがユーザーに伝えるよりも、
販売をしてくれる方が、ユーザーに伝える方が、
商品の信憑性は増すのではないかと、
そんな風に思い始めている。

つまり、
『一期一会』はとっても大事にすべき瞬間だが、
常日頃のお付き合い、の方が、【信頼という安心】が、
築かれるように思い始めている。

というのは、【安心・安全】というテーマが、
どこの【食】のページにも溢れているが、
物に安心するより、人との関係に安心できる事が、
充【実】、という幸せに繫がっていくのじゃないかと思う。
所詮、食【品】ってのは、虚ろな存在のように‥。
食品以上に、ひとが信用できない存在に、
されてしまうような社会で、
取り戻すためにも。

こんな日頃の思いにどんどん、話が膨らんでいく。
彼の、話の返し方、切り返し方。
私に同調しようとするより、
彼が腹の底に持っている考え方、
のようなものが、どんどん出てきて、
それが、たまたま、私と似通っていて、
シンクロしていく面白さだったかな。

彼が、ハム作りを学ばさせてもらったらしい方から、最後に、言われた台詞は、
『東日本で一番のハム作りをしろ』
であったらしい。
何故、東日本かというと、その方は西日本の方らしいのだが、
でも、その方は、穴沢君の素質と姿勢に感じるところがあったからだと思ってしまう。

この展示会で、多くの方に協力を頂いたが、
取り分け、ムソー株式会社の御好意には、感謝に耐えない。
どうも、ありがとうございます。
2010.02.13 Saturday

スーパーマーケット・トレード・ショー 3

 

耕運機の撥ね上げの羽根を、ロータリーの爪に換える。
以前は、こんな事ひとつに頭を使わないと出来なかったが、
ようやく、何も考えなくとも、手が勝手に動いて、段取ってくれる。

考えても、考えても、もうひとつ分らないのが、ベビーリーフ。
こんなに、ベビーリーフで苦労するとは思わなかった。
でも、この間、じぃっと穴が開くほど見てるからか、
彼女らも気の毒に思ってくれたのか、
少しずつ、伸びる気配を始めた。

スーパーマーケット・トレード・ショーにも、
ベビーリーフを持って行きたかったが、
これで、4週間まったく出荷できていないのに、
それどころではなかった。

そう、どうすれば、『無塩せきハム』が店舗で売れるか。
豚肉よりグラム単価が、安いハムと比べてもしょうがないし、
亜硝酸を使ったハムと比べても仕方が無いが、
商品性の8割9割は価格にあると思っている。

ロースハムスライスが60gで460円、
モモハムスライスは、60gで350円、
バラベーコンスライスは80gで500円。

これを刺身のパックと比べたら、
そんなに高いとは、実は思っていない。
天然物なら大体500円前後で、
二人で食べたら、三切れ四切れ、ずつかな。

私がこのハムで、一番売りたい売り方は、
原木で並べて、量り売り。
塊で欲しい人にも、スライスで欲しい人にも、
すべて、量り売り。

鮮魚売り場には、
パックされた刺身だけ売っていれば、
コンビニエンスみたいで、味気ない売り場になってしまう。
やっぱり丸のまま、氷の上に並べられていてこそ、
食い気をそそられる。
それで、パックの刺身も売れるのでは、ないかと思ってしまう。

10年ほど前、イタリヤに行った事があった。
ナポリでだったかな、ハムの売り場を見た時に、
文化を感じた。

そういう、販売の仕方までイメージして、
今回のこの『無塩せきハムシリーズ』の商品開発は、
スタートしている。

最初に販売していただいた、松江のスーパーさんでは、
月に2回、バラベーコンが4枚、原木で販売していただいている。
来店者数とか、店舗面積とか、聞いた事は無いが、
レジ数は、3台〜4台だったかな。
広く見ても、300坪くらいと思う。

宣伝販売に寄せてもらった穴沢君も、
お気に入りのお店だといっている。

パックの精肉類やハムもあるが、
ショーケースがあり、
店の方とお客様との距離が、
すごく近い。

昔から、この体面に近いスタイルの販売を採られていると思うが、
今、この時代に、一番ユーザーが買い物に求めている事ではないか、と思える。
スーパーマーケットという小売業態に、ユーザーが何を求めているかは、
千差万別だとは思うが、店が、何を理想としているかは、
品揃え以上に、お客さんと如何に向き合うかが、
その企業の考えている事が、お客様に伝える最良の手段であると、
最近の『売れない』という状況では、そう思う。
勝手に極論させてもらえれば、
お客様との接客において距離を縮めないならば、
東アジア・東南アジアに進出するより、
現状を打破する術が無いのも頷ける。

が、
マクロの中では、絶対権力者がいる社会主義を目指している以上、
ミクロの中で、より濃い親密なる関係を日常の中で、
再構築していくしか、【安心できる生活】は、
実現していかないのではないかと、
ちょっと大袈裟だけど。

ともあれ、
この価格を乗り越えてもらうには、
辛抱強く、宣伝販売を積み重ねるしかないと思っている。

『えらい真面目に‥』と呟いた方に、
こういう話を僭越ながらさせていただくと、
『アルファーや肉の片山が宣伝販売に来るのか』
と聞かれた。
 
『勿論!です』と応えた。

‥もう一回で終わります‥
2010.02.12 Friday

スーパー・マーケット・トレードショー 2

 
昨日は、雨のせいもあり、外をゆっくり眺めるゆとりも無かったが、
今朝の景色は、海の上すれすれに、水蒸気が溜まり、
少し、幻想的な、ふわふわ模様の向こうに、
遠く明石大橋が見えていた。

さて、あまりの美味しさに有頂天になってしまった私は、
『30秒いただければ、今まで経験した事のない体験を、してもらえます』
を、決め台詞に使ってしまっていた。

先ず、生のままモモハムとバラベーコンをロールし、
爪楊枝に刺して止め、お皿の上にオードブルのように置いて於いた。
お皿を、自然にモモハムを摘む向き(手前)にして、
このモモハムを食べてもらう。

何も言わず食べる人、ひと言『頂いてもよろしいですか』と言う人、
その方の普段が、滲むこわい状態で、
しっかり味わってくれる方、
摘んで、口に入れ、爪楊枝をゴミ箱に放り投げ、
歩(ほ)を止めないひと。

対峙して、噛み締めてくれる方に、
『モモハムは生のままの方が美味しいんです』と声を掛けていた。
ここでは、ほとんどの方が反応がない。
おそらく、どう言っていいのか、
不思議さが先にたって、解からなかったのじゃないかと思っている。

だけど、立ち去る様子がない方に、
『こちらは、ベーコンですが、生でも食べられますから、召し上がって下さい』
と言う。

『う〜ん、‥』
でも、未だ美味しいと言う声はない。
続いて、
『今度はこちらを食べてもらえますか』

食べておられる時に、『如何です?』
大概、変な顔をされるので、
『発色剤と言われている亜硝酸ナトリウムが入っているのです』
『先程、食べて頂いたベーコンと同じ原料、同じ製法ですが、
ただ違いは、亜硝酸ナトリウムを入れているか、いないかだけなんです』。

口直しに、水を飲んでもらいながら
『【無塩せき】というのは、この発色剤を入れず、豚肉の素直な味を引き出す製法の事です』

と、説明すると、ようやく御納得いただける方が多い。
中には、『これが普通のハムの味ですよね』。
『そうです。ハムの味だと思っているのは、亜硝酸の味だったんですね』
『私も、このハムを食べるまではそうでした』。

さて、ここからが、有頂天の本領発揮。
『後、30秒‥‥』の台詞を、口が勝手に喋ってしまう。
後半は、穴沢君も慣れたもので、
この台詞と同時に、ロースハムをホットプレートで、
手際良く、手先に御客様の注視を受けながら、
無言で焼き方を説明している如く、
で、手渡してくれる。


ここまで来ると、ほとんどの方が、
感動、とまでいかないまでも、
ちょっと驚きの表情を浮かべられる。
二人連れなら、『‥‥』、顔を見合わせられる。

私と、穴沢君が、『にんまり』する、ひと時である。
口に入れた途端に、感嘆に似た声が出る。

調子に乗ると、
『今まで、こんなハムは食べた事無かったでしょう』
もちろん、皆さん【Yes】と言って頂ける。


更に追い討ちを掛ける様に、
ベーコンを、ロースハムと同様にして、
『先程、生で食べていただいたベーコンを、ちょっと火を通すとこうなります』
と。

ここまで来ると、皆さん得心されてしまう。


しかし、ただ、ひとりだけ、この手順を踏ませてくれない方がいた。
最初のモモハムの段階で、私の耳元で、
『えらい、真面目に作ってるなあ』と呟いたひと。
この方は、
『いや、もういい、自分でもハムを作っていたから、ひとつ食べれば分る』
と、言ってくれた。

しばらくして、ハムの裏ラベルを見て、
『何も、書いてないなあ』と笑いながら仰った。
裏ラベルの原材料の項目に、
『豚ロース肉・食塩・砂糖・香辛料』としか書いていない。
普通のハムは、御存知のように、所狭しと、
聞き慣れない漢字やカタカナが一杯並んでいる。

呆(あき)れて、笑ってしまったのだろうが、
『加水もしていないのか』って事だった。

ここまで、来ると皆さんの心の中、頭の中は、
『いいのは分るが、売れるのか』に染まる。

‥更に続きます‥
2010.02.11 Thursday

スーパーマーケットトレードショー 1

 



パイプ破裂騒動の、その日の最終便で小豆島を出て、
高槻で寝て、
翌朝、8:00の伊丹発の飛行機で、東京にやって来た。
4日間の東京都江東区有明滞在の始まり。
この4日間、何が苦労したと言うと、
食べ物が情けないほど、
美味しくなかった。

美味しい食べ物を口にする事だけが、
唯一、の娯楽になってしまっているのに、
これは、辛い仕打ちだった。

一番、好んで口に出来たのは、
泊まっているホテルに入っている、
パプ風の、何て云うのだろう、ああいう店は。

日曜に、懸念していた通りに、雪の為、ヤマト運輸は、
大混乱に陥っており、云うのも気の毒なくらい、
ユニホームを着た連中は、頭を下げぱっなしで、
会場の中の、各ブースを走り回っていた。
あんな殊勝なヤマト運輸を見るのは、
長く付き合っているが、久し振りというか、初めてというか。

そんな事で、荷物も着かなければ、展示の準備も、仕様が無くて、
仕方なく、ホテルにでも休みに入ろうと思い、歩いて来た。
真っ直ぐ歩けないほどのビル風は、強くて冷たい。
チェックインは、15時まで出来ないから、
海外に行くより多くの荷物を預けて、
その、パプラウンジの様な、
迎えてくれた兄(アニ)さんに、
『コーヒーだけでも いい ? 』
『モチロン!』と、煙草の吸える席に、通してくれた。

やっと、ひと息ついていると、カプチーノがやって来た。
絵は、カマクラの上に雪がちらつき、
そこまではいい。
そのカマクラの中から顔を覗かしている、
私が書いてあるのだが、
表情は、寒さに顔を強張らせて、
眉毛を上向きに尖らせていた。

瞬時に『寒いからなあ』と朗らかな声が出た。
アニさんはゲラゲラっと大笑いをして、同意してくれた。

今回の相棒、穴沢君が、『今、会場前に到着した』と連絡が入ったので、
レジに行くと、『彼女があの絵を描いたんですよ』と言い、
その彼女は『すいません』と茶目っ気を以って、
首をすくめて、笑ってくれた。

『今日から3(ミ)晩、このホテルに居るから、毎日遊びに来るよ』と、
その約束通り、そのカプチーノを、合計で5杯も飲んだ。

朝昼晩を通して、美味かったのは、
試食で出している、うちの『無塩せき』のハムシリーズ、
ロースハム・モモハム・バラベーコン・ビアシンケン、
以外で、たったのカプチーノひとつだった。

今回のこの展示会では、書く事が、何処まで行けば途切れるのかと、
思うほど、山 山 山 の様にあるのに、出だしから、こんなに長くなってしまった。


今回の、この『無塩せきシリーズ』の商品開発は、
こういうハムを創りたいという思いと同時に、
そのハムは、こういう風に販売したいと、
その両方をセットで、考えてスタートしている。

肉の片山の社長が、いつも、私の我侭を聞き入れてくれるお陰や、
『それなら、吉田さんを満足させるものを作ってみせよう』との、
スタッフのお陰と、とりあえず走り出せるだけの御注文の支えがあり、
このステージまで、辿り着く事が出来た。

今回、穴沢君が食べさせてくれる、ロースハムやバラベーコンは、
絶品という言葉が、本当にふさわしい数少ない、逸品だった。
もちろん、生でも食べられるし、料理しても既に好評を博していた。

が、

持参してくれた、ホットプレートで炙り、このハムやベーコンの、
脂が溶け出す、その瞬間に皿に移す、
その機を見て敏なる頃合が絶妙で、
私は、すっかり有頂天になってしまった。

やって来るお客様に食べてもらう、試食の順序まで、決めていた。

(最初の山まで来たところで、今日は時間切れ、明日に続きを書きます)



2010.02.08 Monday

男爵の栽培 施肥・耕起

 
昨年、夏に南瓜を植えたはいいけど、ウイルスで全滅させた保さん畑。
あれは、情けなかった、一月半ほどを無駄にしてしまった。

相変わらず、私が借りている畑では、
一番、ロケーションも良く、
結構、気の位(くらい)も高い、
そして、土もいい畑である。
なんで、前作、あんなウイルスで、
全滅という事態になったのか、わからない。
よほど、この畑に入った五人の調子がおかしかったのだろう。

今度の作も、うまくいかなければ、
それは、私という事になる。


奥に僅か、緑のラインが見えるが、それは、早生を栽培している畑。
続いて、この畑、今月に新しく借りた畑で、
敷地としては、1反半ほどあるが、
栽培できるスペースは、
1反と少しかな。

ここには、男爵と【インカのめざめ】。

もともと菊用のハウスが建っていたところで、
左半分は、そのハウスが撤去されている。
だから、右も左も、散水用の農業用水パイプが敷かれている。

この日は、保さん畑に続き、奥左の半分に男爵用の施肥をした。

施肥を終えて、トラクターを入れて、興起する予定であった。
手前の畑部分が空いているので、奥からトラクターを走らせて、
手前の畑でターンして、また奥から手前に進んでくるイメージでいた。

一番左を一本入れて、蛇口を踏まないように、パイプを乗り越えた。
それから、踵を返して、左の真ん中付近を戻る時、
パイプを見て、『結構古いから、乗り越えるのは拙そう』、
『次から、手前で旋回して‥‥』と思い、乗り越えていった。
乗り越えて、3〜4m進んで、ふと振り返ると、????
???【思ったが吉日】って、好きな言葉があるが、

3〜4m、水が噴き上がっていた。
『 ありゃ   』、
言葉も出なくて、目を疑ったが、
確かに、噴水が出来上がって、風に揺れている。

パイプの、つなぎ目、に亀裂が入ってる。

ここは、初めてなので、パイプの元栓の場所が分らない。
とにかく、元栓を止めないとと思い、
持ち主の、近所の、家に走ろうとしたが、
振り返ってもう一度、吹き上がっている水をみると、
今度は、風に煽られて、隣の黄色の家に入りそうである。

この日は、小豆島でも、雪が舞う寒さだったので、
首にタオルを防寒に巻いていた。
そのタオルを、首から外して、
亀裂部分に三重(みえ)に巻きつけて、
勢いを和らげないと、隣に迷惑を掛けてしまう。

私は、島でも、この地域でも、余所者なので、
近隣の人に迷惑掛ける事に、極端に神経質になっている。

そう簡単には、巻きつけられなくて、
『せっかく気持ち良く噴出しているのに、邪魔するな』、
と言っているみたいに、自分に向かって、
抵抗を示してきた。

ビショビショを通り越して、ドボドボ。
トホホ。

貸主は声を掛けても、留守のようで、
辺りを見渡しても、寒いからか、人っ子一人居ない。

マイッタ。

近くに、『川本ポンプ』って古い看板を出している家があるので、其処に駆け込んだ。

普段にない大声としつこさで、声を掛け続けると、
お婆さんの声がして、続いて爺さんの声がした。
先に出て来てくれた婆さんの顔は、
借りた隣の畑で、昨年【インカのめざめ】を栽培している時に、
声を掛けてくれて、見覚えがあったし、
お婆さんも、私の顔を覚えてくれていた様子であった。
お爺さんも出てきてくれて、手短に事情を説明して、
『元栓は何処にあるか御存知ですか』と聞くと、
何処にあるか、知っているようだが、
その場所のお爺さんの説明が手短過ぎて、
それとも、私の気分が高揚しすぎているせいか、
わからない。
『家がポツっと一軒あるやろ』って言ってくれるが、
私には、此処等の家は、ほとんど、ポツっと一軒建っているように思える。



見かねたお婆さんが
『そんなん言うても、ここらの人じゃないのに‥』
『連れてったげいな』って。
爺さんは、犹匐,犬磴△襪泙い鍬瓩辰憧蕕如
それでも、其処にあった黒板にチョークで、地図を書いてくれた。
地図ったって、道を一本書いて、『ここにある』って丸を付けただけだが。
そんな爺さんを婆さんは、ケツで押しのけて、表に出てくれた。
『この道をまっすぐ‥』って爺さんは説明してくれるが、
そのパイプの看板は、五差路の角に有る。
『こっちが海ですか』『そうだ』、やっとどの道か分った。

『いま玉葱畑(インカのめざめの後作に早生を栽培している)は、何処ですか』
って聞くと、『ここやがな』って言うが、そこは、道の反対側である。
でも、その一言で、『ここが一弥君の畑や』と出てきた。
爺さんは、80歳くらい、一弥さんもそれ位かと想像しているが、
既に亡くなっていて、それで私に貸してくれた畑という訳。

私の話は、正確に理解してくれている事が、
お陰で私に分ったので、後は、その方向に走って行って、
自分の想像力に頼って探せばいいと、礼を言って、道に出た。
お婆さんが、道に立って、その方向を見ていたので、
『あの少し瓦が見えている家ですかねぇ』って聞いたが、
自信が無いのかノーコメントだった。

無事、水を止めて、隣の蛇口を捻っても、水が出ない事を確認して、
これで一安心。

その騒動の前に取った早生玉葱、
【浜の宝】画像。
ようやく、根が養分を吸い上げ始めたかな。




2010.02.05 Friday

寒い

 

先週まで、寒いといっても、結構温かかったから、
今晩の寒さは、ホンマに寒い。

みかんのコンテナに一杯の薪を、一晩で、
燃やしても、未だ足りないほど。
薪ストーブで、チロチロなんて情緒じゃない。
ガンガン燃やして、それでも足りなくて、石油ストーブもつけている。

『小豆島』って言うと、人は必ず『温暖でいいなあ』と言う。
大きな誤解である。

『確かに、雨は少ないけど、大阪より桜は遅い』と応える事にしている。
これは、私自身も来てみて、初めて知った。

今朝の窓からの景色も、
全部が凍りついたような色をしていた。

ベビーリーフの畑に行くと、あちこち実際凍っていた。
『頼むから、伸びてくれよ』といくら言っても、
『わし等も寒いんじゃ』とは言わないけど、
そう言っている様に思う。

水が足りないのか、水を遣り過ぎて、尚、寒いのか。
ところどころ、引っ張って抜いてみる。
上より、下が伸びている。
こんなに根が伸びているという事は、
やっぱり、水が足りないように思い始めた。

寒さ凌ぎに、トンネルを掛けているが、
エバーフローから飛び出る水が、
このトンネルに当たって、
畝に均一に水が掛かってない。

それで、先週から、トンネルのビニールを剥いだ。
発芽は、毎回、翌週には綺麗に揃って、
双葉を出してくるのに、
その後が、ややこしい。

今日は、佐賀県産のベビーリーフを、
試しに食べてみたが、
やっぱり、食べられたものではなかった。

でも、心の中では、
『それなら、ちゃんと育てて出荷しろ』。

御迷惑をお掛けして、大変申し訳ございません。
もうしばらく、お待ち下さい。


2010.02.02 Tuesday

平成22年2月2日



平成2年2月2日がアルファーの法人化した日である。

現在の、小豆島農場の物件を、初めて見に行く、
阪神高速3号線の芦屋付近で、私の車の累積走行距離が、
222,222kmを示したのも、何かの因縁であるのか、
そう思うほどに、この【2】というぞろ目に、
20年前の、その日以来より、
こだわりを感じ始めた。

取締役2人と、会社を分けたのも、
足しても、掛けても、2で割れば、綺麗に、
割り切れてしまう数字に起因しているとすれば、
法人化した時点から、それも決まっていた事かもしれないし、
社名を【アルファー】って『最初の一歩』という意味を含み、
そこから生まれたら【アルファルファー】となる、
そんな子供を産めた事も、異なる性質の
2つが引き合う、20年の間、
【2】のさだめかな。

螺旋(ネジ)を巻かないと止まってしまう、
ぜんまい仕掛けの玩具のように、
常に動機を作ってきた。

それ故に、一定のスピードで、
ぜんまいバネ、が戻り続けてしまうので、
ひとつの思考に留まる事が出来ない性格になる。

物事を深く洞察したり、精査したりする時は、留まる事を強いられる。
流れ行く思考を留めなければ、次にそれが巡ってくるまで待たねばならない。
待つ間には、純化してくれればいいが、そうは行かない事の方が多い。
むしろ逆に、確信こそがぼやけて、何処に切り込んでいるのか。

自分に対する申し開きをするなら、もっと他にも方法があったかも知れない。
そんな事を思いながら、『まあ、これもそれなりでいいか』
そんな思いで駆けて、抜けてきた。

それでも、辿り着いたこの場所には、少なからず、私は満足している。

ひとに本心を言えば、
返事が無いか、『有り得もしない事を‥』と言われるのかも知れない。
それは充分、心得ている。

要は、自分自身の納得の問題である。
自分のいき方に、美意識を持たない人は、
信頼しないで生きてきた。

『美しい』という事は、大切な事と思う。

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