2012.04.30 Monday
世間的な休日の朝
昭和裕仁天皇の誕生日の振り替え休日。
1901年の生まれだそうだ。
1868年の維新後30年余経過した時の生まれって事になる。
世間で言われているほど、日本人にとって立派な変革でもなかった事は、其処彼処に顕わにされてきているが、
何やら最近、似たような手口で、英雄扱いされている人の維新っぽいネーミングも、辿れば同じルーツになるのかもな。
昨日から長男の引越し手伝いで、高槻に戻って来ていて、終了後ダマン・リュミエールなる紅茶屋に行ってきた。
昨年の秋にたまたま行った時に食べたスイーツの衝撃の味が忘れられなくて、
今までコクがあって美味しいってのは様々食べてきたし、自分でも<カタラーナ>ってアイスクリームの製造に活かしもしたが、
極端に言えば<何の味もしないのに美味しい>てのは、初めての出来事で、1260円って価格に文句も言わず、
紅茶の味なんぞ分る上品さは持ち合わせてもいないのに、840円のアールグレイを堂々と、白髪ボサボサ頭で飲んで、
隣の席の金持ちそうな婆さんと孫二人連れの、愛想に出てきた厨房のボスに、『しゃべってる暇があったらサッさとせい』 と、
呟いていたと聞いて、私に言わせれば、『 客やというだけで、そんなに偉いのかい 』 と年端も行かぬ娘に言いたかった。
商売の話に戻るが、画像のスイーツは、下敷きはフレンチトーストって事だったが、二個食べても、パンには思え無かった。
スポンジを硬めに焼いて、それを卵に浸した・・・風って事なんだろうが、その上にフルーツをイチゴやマンゴーや洋梨を、
カスタードクリームやホイップした生クリームを一緒にのせられているのだが、上手にフルーツの味と台の味をつないでいた。
まったく、上には上がいるって分らされて、決して世の中は公平には出来ていない事がよく分る。
さて、そんな世間を尻目に、私の休日の朝は、のんびりテレビのMLBを見ながら、こんな文を書いているが、
『 料理長 』 には何変わりない月曜の朝で、時間に追われて動き回る彼女に、コーヒーを入れてくれと言うと、
掃除機で吸い取られそうに気がしたので、自分で彼女の分も入れていると、口で『 ニコッ 』 と言っていた。
正に一触即発の均衡で、たまの休日の午前中、世の亭主どもはそこを軽く通り過ごしているのだろうか。
2012.04.28 Saturday
デジマの試し掘り
このシーンも何度目だろう。
いつのまにか、この長崎の太陽野菜さんは、私と中川が行くと、シーズン最初の試し掘りをしてくれて、
そこから、いつ掘り始めるかを占っていて、じゃが芋シーズンが始まるみたいだ。
写真という証拠が残っているが、初めて試し掘りに訪れた年、画像の末吉君が掘り始めた姿を見て、
親父の千二さんが駄目出しをして、鍬を取りあげ自分で掘り出した姿が、今でも私の脳裏に仕舞われている。
来るたびにその事を思い出し、ひとりほくそえんできたが、この日はとうとう口に出してしまい、
『 じゃが芋も入っているが、末吉君の腰も随分入ってきた 』 とでも言ったのだろうか、
そしたら、『 そんなん言ってくれるのは、社長だけですよ 』 と返してきたが、
からかわれて、怒っているのか喜んでいるのか、分らなかった。
掘り出された芋を見て、< ここの芋、こんなに白くて輝いていただろうか > と、
このセリフは口に出さなかったが、長い冬をみんな乗り越えて、植物は急に色気づいてきたように思う。
2012.04.27 Friday
名水にら 産地訪問
前回訪問の時にも書いたが、もう20年弱というような表現をしてもオーバーでは無くなっている。
私が覚えている範囲では、毎日20箱30箱と売れていた。
その頃は、今のように野菜栽培に付いても、ニラの性格についても正確なところはよく分らず、
ただ、情緒的に気に入っていて、その証として味があり、それを明らかにする為に、茎の部分の味比べをよくしていた。
にらは、この茎の部分が一番甘く、だから他の産地との味の差が歴然とするのはここをひと噛みすれば、万人が判別できる。
扱い始めた当初は年に何度か通っていたが、随分足が遠退いていた。
ここ二年三年何度か通い始めたら、その度聞く話が積み重なってきて、
にらという野菜について、昔に比べれば随分理解が進むようになってきた。
この森家がニラの栽培を始めた当初から、一本10gの株を目標として栽培してきている事を知っているが、
今日のこの畑を見ると、それ以上に太く厚く育っている事が遠目にも分り、車を降りた瞬間に叫んでしまった。
本人もいつもに増して饒舌で、曰く、< ある極に到達した > との事で、< 結局は10年前のバランスに戻った >
と話してくれたが、もちろん元の位置に戻ったのでは無いだろうが、色といい、弾力といい、申し分なかった。
実は中澤が、私と中川が森さんの所に行くのを知っていて、前日にニラの硝酸態窒素の残留値を測定し、報告をくれていた。
結果は、< 去年の5月は623で、昨日は75 > で、これは本日の森さんの話とピタリと符合する、面白い結果だ。
まあ、怖れいるほどいいにらであった。
2012.04.26 Thursday
島原
雲仙普賢岳の【大火砕流体験館】
昔はこういう箱物には近付かなかったが、変れば変るものだ。
今日は、産地商社って仕事に付いて考える機会を得られたと思っている。
昔から、都市の青果卸商なる仕事がいつまで世に存在できるのかについて疑問を持っていた。
消費地に近いというアドバンテージは、存在を継続する上では成立するが、発展する上では成立しがたいと思っている。
こういう青果卸商なる業態は、如何に農家と一体となっているかが問われている考えている。
仮に、この距離が離れていても、営業力とその一部の販売企画力である程度はカバーできるし、
納品に問題が合った場合でも、直ぐにフォローに走っても行け、卸し商社について否定的に考えている訳でもない。
でも、それらは二次的な要因で、卸し商社としての存在意義は、農という生きる上で不可欠な課題をいかに伝えるかにある。
弊社は食品を<生きる糧>として捉えていて、身体の健全さはもとより、知性の源とから外していない。
農を通して垣間見える自然観というものが、生きる指針の倫理となり、食と医と連動して何の為の健康かを教えてくれる。
この事を一緒に考えて行くためには、細心の注意と準備をして栽培・製造される食品に、
もの作りとは違う、もう少し食べる側からの視線で、細心のフォローが効いた提案作業を認めてもらう事が肝要である。
以前に、<農業とは地域の事だ>と書いた事があるが、地域の支え合う生活様式が、実は商品の付加価値だろうと思う。
もちろん流行の<地域を越えたネットワーク>でもいいんだが、街で食べた食材・食品の生産地の歴史と風俗を観光する、
そんな動機を購買して食べてくれた人に提供することが、この都市の青果卸商の醍醐味と思いたいもんである。
もっとも、こんな事ばかりを考える事にかまけてるより、野菜を売りに走る事の方が大事に役目なんだが、
火曜に大阪心斎橋で【農家の主張】という集まりに出席して、水曜に島原の優れた産地商社を訪問して、
そうして、朝から海を臨む島原小浜温泉の露天風呂に浸かりながら、白くなってくる空を見て、何だかそんな気分にさせられた。
2012.04.25 Wednesday
旅の人
< 経済 > < 文化 > < 思想 > < 使命 > < 志 > < 哲学 >
どれも、実感の湧かない言葉ばかりの、実態を掴みたくて生きてるようなもの。
そういえば、先日私にはどうにも魅力的に見える鳩さんがイランに出かけたみたいだ。
火力発電に頼り、原油価格高騰に怯え、それでもイランに行くと非難される彼は、
横並びが好きで、自分で解決しようとしないこの国のこと、本当は好きじゃないだろうな。
日曜日に朝から雨で、午前中の船に乗って、久し振りに難波にでも買い物に行こうと港に行った。
港に、近づくと、フェリーが既に泊まっていて、あれって思っていたら、欠航だという。
仕方がないと諦めて、その内出るだろうと高をくくって待っていたが、
4時頃になって、『 今日は、もう出んぞ 』 とベテラン職員に告げられた。
『 それは困る 』 と言うと、『 どうしても帰るんやったら、北側の港は動いているから、送ってやる 』 と言ってくれた。
その船は、岡山県の日生って港に着く航路で、日曜の記事に<汽車に乗れそう>とか言っていたからか、
そこから本当に電車に乗って、姫路まで移動して、港にとめている車までタクシーで行くはめになった。
2012.04.24 Tuesday
この場所が好き
つい最近まで、好嫌いの激しい人間だったけど、最近は好きっていうのはふえても、嫌いっていうのは殆んど無くなった。
この場所は、図面上は300坪って事になっているけど、実際に使っているというか、自分の敷地っぽく見えているのは、
もっと狭くて、座って写している背中部分は、地形の構造的に隣りの敷地に見えていて、隣人もそう思っているだろうな。
というのは、地形に関係無く、亡くなった隣りの親父さんと、私が買った高松の親父さんとが、線を引いて売買したから。
普通は何とかっていう、引渡し前に隣人との境界を立会いで確認するものらしいが、そんな事には無知で無頓着だった。
今も、忙しくバタバタしていて、落ち着いて物事を考える時間が無くなってしまっていて、書いてる事も流されてるばかり。
日常のパターンを変えようとしているが、今しばらくは無理で、考えてはいるけれど、まとまりの無い日々を過ごしている。
ただ、この場所が好きで、ここに倒した樹を切って、ベンチ代わりを作ってあり、そこにたまに腰掛けては、楽しんでいる。
2012.04.23 Monday
粉ミルク3000倍
中には、フライング気味で勝手に成長してるのもあるけど、まあ大目で見ておくことにする。
粉ミルクはどこでのか聞いてみると、『料理長』は薬局で売ってると言うので、畑の道々で薬局に寄って、
『 粉ミルクはありますか 』 『 どこの粉ミルクですか 』 『 いや、 どこに置いてます? 』
『 いつもどのミルクですか 』 う〜ん、返事に困る会話ばかり。
『 いや、子供が飲むんじゃないんですよ 』 『 じゃ、大人が飲まれるんですか 』
ここまでくると、返事に困るだけでは済まなくなって、次の言葉は一歩間違えると通報されそうな危険・・・。
観念して、『 実は、野菜に飲ませるんです 』 『 ・・・・ 』 いや見つめられても困るんです。
それ以上に、意外と高い。
ともかく、Get して、畑に向かう途中、会社の中澤さんに 『 何倍に薄めるんやったか調べて 』 と依頼すると、
『 3000倍 』 と返事をくれたので、作業終了後、上画像をメールしたら、
『 粉ミルクなんですね。ガムシロップくらいなら、なんとなく、わかりますが、ビタミン補強で粉ミルクとは動物と同じですね。』
これも返事に困るコメントで、それならバッテリー液を散布したら、『 機械と同じなんですね 』 とか、なるんだろうか。
これ等の散布を教えてくれた農家は、吉本隆明みたいに本質を見抜く事に、一瞬たりとも、たじろぎを見せない人なんだ。