おしゃべりは楽しいものですし
適度なおしゃべりは気分転換にもなります
しかし、おしゃべりに夢中になっていると
自分でも気づかずに
「気」が漏れていってしまいます
自分の「気」がなくなると
食材や、空間から
どんどん「気」を奪うようになります
そんな状態のときは
たいていなにをやっても、うまくいきません
「気」が漏れてしまうのは
他人とのおしゃべりだけではありません
自分の頭の中でくり広げるおしゃべり
(脳内会話、妄念、妄想)も同じです
心が定まらず、妄想にとらわれていると
料理に注ぐべき「気」が
どんどん漏れてしまうのです。
特に、料理の仕上げや、盛り付けのときなど
そういう時にうっかり声を出してしまうと
フッと「気」が漏れるのを
私はすごく感じます
絶対に目が離せない
「ここぞ!」というときは
グッと集中しましょう
料理を作っている最中は、しゃべらずに
ちゃんと目の前の食材と向き合う
そうやって、料理に「気」を注ぐことで
「食べる人を元気にするごはん」
になるのです
子どもの頃
母親が考え事をしながら作ったごはんは
食べたらすぐにわかりました
心ここにあらず
別のことを考えながら作ると
「気」の抜けたごはんになるからです
そうすると、雑味が混ざり、味が濁ります
たとえ、台所がどんなに整っていても
どんなに良い素材を使っても
「気」の抜けたごはんは
どこか味が物足りず
食べた後も、力が湧いてこないのです
ましてや、不満、不安、怒り……などを
台所に持ち込むと
ごはんが毒のようになってしまいます。
料理に集中できないときは
パッと切り替えることです
窓を開けたり、外に出て、深呼吸してもよし
頭の中のゴチャゴチャを
紙に書き出してみるのもいいでしょう
まずは、頭の中をスッキリさせる
そして、ごはんに意識を注げば注ぐほど
場の「気」が多くなり
その「気」がごはんに宿ります
神道では
清・明・正・直の四つがそろうところを
神様は好むとされています
これを、料理の心構えで言うならば
清…頭をスッキリさせ、清くいること
明…台所には、明るい気持ちで立つこと
正…手を抜かず、正しい手順でおこなうこと
直…
「食べてくれる人に、喜んでもらいたい」と素直に思うこと
心が、モヤモヤするときは
一度、台所から出て仕切りなおしましょう